漢方薬の知識(かんぽうやくのちしき)

病気だけをみるのではなくからだ全体をみるのが漢方治療


 漢方治療は、「頭が痛い」「おなかが痛い」といった症状を、西洋医学のように局所的な病気ととらえず、「からだのバランスの乱れ」ととらえます。そしてその乱れを整えることで、症状を治そうとするので、女性に多い不定愁訴などは、漢方治療の得意分野です。
 漢方薬は一般に、つぎのような病気を治療するのに適しています。
(1)胃もたれ、慢性下痢、常習便秘冷えなど、あきらかな病因がないのに、つらい症状がつづくとき。
(2)アレルギー疾患などの免疫異常。
(3)「かぜをひきやすい」などの虚弱体質。
(4)不眠症、摂食障害など心因性の病気。
(5)西洋医学で副作用がある場合。
(6)不妊症など、西洋医学の検査で異常が見つからなかったり、西洋医学の治療の効果が上がらない場合。
 反対に、つぎのような病気は、漢方治療に適していません。
(a)悪性腫瘍など手術が必要。(b)大出血、ショック状態、急性心筋梗塞など緊急を要する。(c)重症感染症など、西洋薬のほうがすみやかに効く病気。
 実際は、西洋、漢方両方の治療が適している病気も多いので、「適していない病気」以外は、漢方治療を試みる価値はあると考えられます。

漢方薬は自然の生薬からつくられる


 治療に使われる漢方薬は、「生薬」を配合してつくります。日本漢方の生薬の90%は草の根や樹皮、果実など植物性のもの、残り10%は石膏など鉱物性、牡蛎(カキの殻)など動物性のものです。
 生薬は、漢方の古い書物によれば、素材の持つ有効性と危険性から、つぎの3種類に分類されています。
(1)上薬
 健康を増進して寿命を延ばし、長期間服用しても副作用の心配がない。人参、黄耆、桂枝、茯苓、甘草など。
(2)下薬
 病気を治す力が強い反面、副作用を起こしやすく、長期間は使いにくい。大黄、附子など。
(3)中薬
 上薬と下薬の中間で、発病を抑え、虚弱を補う。体質改善に使われることが多い。麻黄、芍薬、葛根など。
 漢方薬のタイプには、調合された生薬を煎じて飲む煎じ薬と、煎じた液を濃縮して乾燥したエキス剤があります。それぞれに長所、短所があるので、ニーズに合ったものを選ぶのが賢明です。
 また漢方薬は、長期間飲まないと効かないということはありません。不眠などは効果が上がるまでに数か月かかることがありますが、かぜやこむらがえりには、即効性があります。

体質が「実証」か「虚証」かで処方する薬がちがう


 ひとりひとりの体質に合わせた治療を行う漢方では、体質を「実証」と「虚証」の2種類に分けています。「実証」のおもな特徴は、筋肉質の体型で活動的、胃腸がじょうぶで、食べるスピードも速いなど。一方「虚証」は、やせた体型で胃腸が弱く、下痢しやすい。また疲れやすく、活動的ではないなどの特徴がみられます。ただ、一見太っていても、水太りの人は「虚証」が多いようです。
 たとえば同じ頭痛でも、「実証」か「虚証」かで処方する薬は異なります。それに、のぼせはないか、吐き気はないかなど、ほかの症状も加味されるので、同じ頭痛でも、その人に合った漢方薬が処方されることになります。

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