妊娠期に薬を飲むときの注意
妊娠中はなるべく薬を飲まず、多少の不調であれば自然に治るのを待つのがよりよい方法です。とくに、妊娠2か月(4~7週)のころはもっとも胎児への影響が大きい時期。なるべく薬の使用は避けます。それ以降は徐々に危険度が減っていきますが、胎児に対する影響はゼロではないので、薬を使わないに越したことはありません。
しかし、病状が重い場合は、薬で緩和する必要があります。現在では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断されるときは、薬を使用したほうがいいと考えられています。たとえば、妊娠中に起こりやすい便秘は、排便のときにいきんで流・早産を起こす危険性があるので、用量を守って緩下剤を使用したほうがいいというわけです。
なお、妊娠1か月(最終月経から27日まで)のあいだのみ、胎児に対しての薬の影響はないと考えられています。
薬の服用時期と危険度
最終月経開始日からの日数
●0~27日(妊娠1か月)…0点
●28~50日(妊娠2か月)…5点
●51~84日(妊娠3か月)…3点
●85~112日(妊娠4か月)…2点
●113~出産日まで(妊娠5か月~)…1点
※点数は、疫学調査や生殖試験などの結果をもとにした、薬剤の催奇形の危険度評価点。5点がもっとも危険度が高い。
注意が必要な病気と薬
妊娠中に起こりやすい便秘、痔、貧血などに使う薬は、用量・用法を守れば使用しても問題ありません。
問題になるのは、アレルギー、気管支ぜんそく、甲状腺疾患、てんかんなどの持病を持っている人が妊娠した場合(慢性疾患のある人の妊娠・出産)です。この場合も、薬をやめたときの病状が妊娠に悪影響をおよぼすようであれば、なるべく安全な薬を、なるべく単独で、必要最少量を使用します。
持病がある場合は、妊娠前から薬の調整をしたほうがいいので、計画出産を心がけることも大事です。医師によく相談して薬を服用していきましょう。
妊娠に気づかずに薬を使用してしまったら
すぐに使用を中止して医師に相談し、薬の種類、飲んだ量、使用期間をなるべく正確に伝えます。
通常使われやすいかぜ薬、解熱鎮痛剤、胃腸薬、抗生剤、抗アレルギー剤などは、それほど危険性がありません(妊娠と知らずに使ってしまった市販薬、だいじょうぶ?)。使用してしまったことをあまりくよくよ考えず、これからの妊娠期間を前向きな気持ちですごしましょう。
また、妊娠初期は妊娠に気づきにくい時期でもあるので、薬を処方されたときは医師や薬剤師に妊娠を望んでいることをしっかり伝えましょう。
授乳期の注意
授乳期に母親が薬を使用すると、薬効成分が母乳を介して乳児に移行する可能性があります。
授乳期は妊娠期と同様、薬はなるべく使用しないほうがいいのですが、つらい症状があるときは、医師に相談して使用しましょう。また、持病がある場合は、妊娠期から引きつづき、医師と相談して薬を使用していきます。
危険とされる薬効成分がどのくらい母乳に移行するのか、乳児に危険な量とはどの程度なのかの判断は、むずかしいものですが、薬の使用が長びく場合は、授乳を中断しなければならないこともあります。
市販薬を使用する場合は添付の説明書をよく読み、授乳期への注意があれば、医師に相談してから使用するようにしましょう。
授乳中は、かぜなどにかからないよう注意することも大事です。
妊娠中・授乳期と薬についてもっと知る
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。