薬の副作用と対応のしかた(くすりのふくさようとたいおうのしかた)

薬の主作用と副作用について


 薬には、いろいろな薬理作用(薬の効き方)があります。そのなかで、そのときの治療目的に合った作用を「主作用」といい、それ以外の期待されていない作用を「副作用」といいます。ですから、どんな薬にも、多かれ少なかれ副作用はあります。
 また、ある病気に関しては副作用であるものが、ほかの病気に関しては主作用になるなど、病気によって、薬の主作用と副作用が入れ替わることもあります。
 薬を使用するときは、どんな副作用が現れる可能性があるか、また、現れたときはどう対処したらいいのかを、医師や薬剤師にきちんと聞いておきましょう。市販薬の場合は、添付の説明書をきちんと読んでおきます。

副作用の種類について


 副作用の種類はいろいろありますが、多いのは、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸障害、発疹、かゆみ、動悸、めまい、眠気、のどの渇きなどです。
 また、主作用が引き起こす二次作用(副作用の一種)というのもあります。たとえば、抗生物質を連用すると、目的の菌を殺すことができますが、それによってちがう菌が発現すること(菌交代症)があります。女性の場合、抗生物質の連用により、腟内にカンジダ菌などがふえることがわかっています。

薬で起こる一般的な副作用


●抗生物質
起こりやすい副作用…下痢
●抗生物質
起こりやすい副作用…発疹・発赤
●気管支ぜんそく治療薬
起こりやすい副作用…動悸
●気管支ぜんそく治療薬
起こりやすい副作用…手のふるえ
●抗ヒスタミン剤
起こりやすい副作用…眠気
●抗ヒスタミン剤
起こりやすい副作用…のどの渇き
●抗生物質、解熱鎮痛剤など
起こりやすい副作用…ショック症状
●抗生物質のクロラムフェニコール
起こりやすい副作用…再生不良性貧血
●抗生物質のアミノグリコシド剤、ループ利尿剤
起こりやすい副作用…腎障害・難聴

薬の併用で起こる副作用


 薬の併用によって起こる作用を、薬の「相互作用」といいます。相互作用には、予想以上に効果がですぎてしまう場合と、思いもかけない副作用がでてしまう場合があります。
 薬の併用は、医師が目的を持って行う場合は心配ありませんが、患者さんが使用している薬を伝えなかったために併用した場合は、問題となる相互作用が起こる可能性があります。また、処方薬を飲んで胃が荒れたからといって、勝手に市販の胃薬を飲んだりすると、それで相互作用が起こることもあります。注意しましょう。
 食べ物との組み合わせで、効果がですぎたり、低下してしまったりする薬もあります。内用薬の飲み方と注意の「食べあわせ・飲みあわせに注意」でも説明していますが、よく知られているのは、血栓症の治療薬であるワルファリンカリウム製剤と納豆やビタミンKを多く含む食品との組み合わせによって、薬の効きめが低下することです。
 食べ物や飲み物のとり方に注意が必要な薬は、薬が処方されるときに、医師や薬剤師から説明があるので、よく聞いておきましょう。

男女の性差でも副作用はちがう


 薬物代謝酵素そのものに男女の性差があることがわかっています。それ以外にも、飲酒、喫煙、食生活、ストレスの大小など、生活習慣のちがいによっても、薬に対する性差が生まれるといわれています。
 たとえば、降圧剤による空ぜきや、抗不整脈剤や抗生物質、向精神剤などによる頻拍(動悸)などの副作用は、女性のほうに起こる確率が高いことがわかっています。副作用だけでなく、麻酔や睡眠薬のように、女性のほうが効果がでやすいという薬もあります。

副作用が起きたときの対処のしかた


 副作用がでても、ほとんどの場合は薬の使用をやめれば症状がおさまります。副作用がでたら、なるべく早い段階で医師に相談しましょう。
 ちがう薬に替えてもらうか、多少の副作用はやむをえないとして使いつづけるかなどを医師と相談して決めます。
 また、副作用は体調のよしあしによっても現れ方がちがいます。多少の副作用ならようすをみて使いつづけることもあります。勝手に判断して、服用をやめないようにしてください。
 ただし、薬を使用したあと、急に顔色が悪くなって呼吸が苦しくなったり、ふるえなどのショック症状が現れたら一刻も早い処置が必要です。すぐに電話などで医師に相談するか、家族などが病院に連れていったり、救急車を呼ぶなどします。副作用のなかには、生命にかかわる重大な症状がでる場合もあります。とくに新しい薬を飲んだときには、注意しましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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