不妊検査のいろいろ(ふにんけんさのいろいろ)


基本検査(女性が受ける検査)


問診


・時期 初診。
・検査方法 結婚年齢、結婚年数、避妊期間、月経の状態、既往症などが聞かれる。
・受診のしかた 問診票に書くか、口頭で質問される。治療経験があれば、かならず伝える。
・所要時間と痛み 短時間。
・わかること 不妊の原因を推察し、今後、検査をすすめるうえでの参考にする。
・治療法 これらのデータをもとに必要な検査を医師が判断し、以降、その検査へとすすむ。

内診


・時期 初診。
・検査方法 医師が外陰部を視診したり腟内を触診し、子宮や卵巣の状態を観察。
・受診のしかた 深呼吸をしてからだをリラックスさせる。
・所要時間と痛み 数分。軽い痛みを感じる人も。
・わかること 子宮の位置や大きさ、子宮や卵巣の腫瘍の有無などがわかる。
・治療法 これらのデータをもとに必要な検査を医師が判断し、以降、その検査へとすすむ。

基礎体温


・時期 初診。
・検査方法 朝目ざめたときの基礎体温を2~3か月つづけて測り、表に記入する。
・受診のしかた 初診時に持参する。持参しない場合は、つけ方の指導を受ける。
・わかること 排卵の有無、黄体ホルモンの分泌の状態、卵巣機能についてなど。
・治療法 これらのデータをもとに必要な検査を医師が判断し、以降、その検査へとすすむ。

超音波検査


・時期 初診以降ほぼ毎回。
・検査方法 超音波の出る器具を腟内に挿入し、子宮や卵巣などの状態を調べる。
・受診のしかた 内診につづいて行われるので、内診同様、深呼吸してリラックス。
・所要時間と痛み 数分。不快感はあまりない。
・わかること 子宮筋腫、子宮内膜症などの有無、卵胞の大きさ、子宮内膜の厚さ。
・治療法 それぞれのトラブルに応じて、手術や薬で治療を行う。

ホルモン検査


・時期 低温期・排卵期・高温期。
・検査方法 血液検査なので採血する。多くの病院では検査機関にまわす。
・受診のしかた 手をギュッと握って血管が浮き出るようにするとよい。
・所要時間と痛み すぐに終わる。多くの場合、結果は数日後。
・わかること ホルモンの分泌の状態から排卵障害の有無がわかる。
・治療法 それぞれのホルモンの分泌状態に合わせて、排卵誘発剤などを使う。

頸管粘液検査


・時期 排卵期。
・検査方法 細いガラスの注射器で粘液を吸い取り、顕微鏡などで観察する。
・受診のしかた 内診につづけて行われるので、深呼吸してリラックス。
・所要時間と痛み 数秒。痛みはない。
・わかること 子宮頸管粘液が正常に出ているか、排卵が正常かどうかがわかる。
・治療法 人工授精にすすむことが多い。

子宮卵管造影検査


・時期 低温期。
・検査方法 腟からカテーテルを入れ、造影剤を子宮内に注入しレントゲン撮影。
・受診のしかた 装置のついた内診台にあおむけになって受ける。からだの力を抜く。
・所要時間と痛み 約5~10分。下腹部に痛みを感じることが多い。
・わかること 卵管と子宮のトラブル。卵管閉塞は、ふさがっている位置までわかる。
・治療法 トラブルに応じて手術などで治療する。検査で卵管が開通する場合もある。

卵管通気検査


・時期 低温期。
・検査方法 カテーテルで子宮口からなかに注入した炭酸ガスの圧力の変化をみる。
・受診のしかた 内診台にのり内診を受けるような姿勢で。からだをリラックス。
・所要時間と痛み 約3~10分。注入されたガスの影響で検査後、肩が痛む。
・わかること 卵管閉塞がわかるが、部位や、どちらの卵管までかはわからない。
・治療法 比較的軽い卵管閉塞は、検査後、開通することもある。


基本検査(適合性の検査)


ヒューナーテスト


・時期 排卵期。
・検査方法 性交後の腟から粘液をとり、顕微鏡で精子の有無や動きをみる。
・受診のしかた 排卵日のころ性交し、3~12時間後に受診する。検査は内診台で。
・所要時間と痛み すぐに終わる。痛みはない。
・わかること 精子の異常や、女性に抗精子抗体があるかどうかなどのめやすに。
・治療法 人工授精にすすむことが多い。


基本検査(男性の検査)


精液検査


・時期 問わない。
・検査方法 採取した精液の精子濃度、運動率、形態の異常率などを、顕微鏡で調べる。
・受診のしかた 5日ほど禁欲してマスターベーションを行い、1~2時間以内に検査する。
・所要時間と痛み 検査結果で何度か行う。
・わかること 精液の量、濃度、運動率、奇形率などを調べることで、男性不妊の有無がわかる。
・治療法 泌尿器科で、精密検査を受ける。漢方薬やホルモン剤を服用する。

精密検査(女性が受ける検査)


ホルモン負荷検査


・時期 低温期。
・検査方法 特定のホルモンを注射して数度採血し、血中のホルモン変化をみる。
・受診のしかた ベッドに横たわり、安静にして受ける。
・所要時間と痛み 1時間くらい。注射や採血の痛みがある。
・わかること 高プロラクチン血症(プロラクチノーマ)や多嚢胞性卵巣症候群など排卵トラブルの原因
・治療法 排卵誘発剤を使う。多嚢胞性卵巣症候群は手術を行うこともある。

子宮内膜組織検査


・時期 高温期。
・検査方法 子宮口から細い器具を入れて子宮内膜を少しとり、顕微鏡で調べる。
・受診のしかた 検査は、内診台にのって受ける。
・所要時間と痛み すぐ終わる。一瞬、痛みがある。
・わかること 子宮内膜組織の像によって、着床できる状態かどうかがわかる。
・治療法 ホルモン治療によって、妊娠が可能になることもある。

子宮鏡検査


・時期 おもに低温期。
・検査方法 子宮専用の内視鏡を腟から入れて、直接子宮内を観察する。
・受診のしかた 子宮のトラブルが疑われた人が受診する。内診台にのって行われる。
・所要時間と痛み 10分程度。局所麻酔をすることもある。
・わかること 子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮形態異常(子宮の形態異常)などがわかる。
・治療法 子宮内膜ポリープは、検査中に鉗子で切除することが多い。

腹腔鏡検査


・時期 問わない。
・検査方法 おへその下に小さいあなをあけ、そこから腹腔鏡を挿入してなかを観察。
・受診のしかた 入院して、全身麻酔をして受ける。
・所要時間と痛み 検査時間は病状によって異なる。
・わかること 子宮内膜症の有無、卵管の閉塞や卵管周囲の癒着などがわかる。
・治療法 検査と同時に、癒着をはがすなどの手術を行うこともある。


精密検査(適合性の検査)


抗精子抗体検査


・時期 問わない。
・検査方法 女性から採血し、血清のなかに精子を加えて精子の動きを調べる。
・受診のしかた おもにヒューナーテストの結果が悪かったときに。方法は血液検査。
・所要時間と痛み すぐに終わる。結果は1~2週間後にでる。
・わかること 女性に抗精子抗体があるかどうかがわかる。
・治療法 人工授精や体外受精にすすむことが多い。


精密検査(男性の検査)


精密検査


・時期 問わない。
・検査方法 泌尿器科で、性器の形状やホルモン検査などを行う。
・受診のしかた 精液検査で異常が見つかったときに受診する。
・所要時間と痛み 検査内容により異なる。
・わかること 勃起障害や細菌の感染、射精障害、精路障害などがわかる。
・治療法 ホルモン剤での治療や人工授精、体外受精、顕微授精へすすむ。

ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。

掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

関連するキーワード

不妊症 不妊 不妊検査 女性が受ける検査 女性の検査 問診 結婚年齢 結婚年数 避妊期間 月経 月経の状態 既往症 問診票 口頭 治療経験 不妊の原因 内診 外陰部 腟内を触診 子宮 卵巣 リラックス 基礎体温 排卵の有無 黄体ホルモン 卵巣機能 超音波検査 子宮筋腫 子宮内膜症 卵胞 子宮内膜の厚さ ホルモン検査 血液検査 低温期 高温期 排卵期 頸管粘液検査 粘液 顕微鏡 内診 子宮頸管粘液 排卵 人工授精 子宮卵管造影検査 カテーテル 造影剤 レントゲン撮影 下腹部 卵管閉塞 卵管通気検査 ヒューナーテスト 性交後 精子 排卵日 性交 セックス 精子の異常 抗精子抗体 精液検査 精子濃度 運動率 形態の異常率 マスターベーション 精液の量 精液の濃度 男性不妊 泌尿器科 精密検査 漢方薬 ホルモン剤 ホルモン負荷検査 ホルモン変化 採血 高プロラクチン血症 多嚢胞性卵巣症候群 排卵トラブル 排卵誘発剤 子宮内膜組織検査 ホルモン治療 子宮鏡検査 内視鏡 内診台 局所麻酔 子宮内膜ポリープ 子宮形態異常 腹腔鏡検査 全身麻酔 卵管周囲の癒着 抗精子抗体検査 採血 血清 精子の動き 体外受精 泌尿器科 性器の形状 ホルモン検査 勃起障害 細菌の感染 精路障害 顕微授精
ベビカム医学大辞典
powerd by babycome