皮膚がん(ひふがん)

 皮膚の外側の表皮細胞、そして毛包(毛嚢)、脂腺、汗腺、立毛筋などの皮膚付属器の細胞が悪性化したものを総称して「皮膚がん」といいます。
 やけどや外傷あとのひきつれ、ほくろ(色素性母斑(黒あざ・ほくろ))などが変化して発症することが多いものです。皮膚にできるので観察しやすく、早期発見して治療を行えば、悪性の場合でも完治させることができます。
 代表的なものが、有棘細胞、基底細胞、色素細胞から発生するがんです。もっとも悪性なのが、色素細胞にできる悪性黒色腫(メラノーマ)で、脳軟膜や眼球脈絡膜(網膜の外側にある膜)にも発生します。

有棘細胞がん


どんな病気?


 中高年の人の顔や手の甲に多くみられ、やけどあとのひきつれ、放射線治療後の慢性皮膚炎、紫外線によるしみ、脂漏性角化腫(老人性のいぼ)などから生じやすいものです。

症状


 暗紅色のふぞろいの結節や潰瘍ができ、表面が赤くただれて悪臭を放つこともあります。治りにくく、しだいに大きくなるしこりや、潰瘍ができたときは皮膚科を受診します。

治療


 がんの部分を切除すれば完治します。リンパ節に転移した場合は、抗がん剤や放射線の併用が効果的です。


基底細胞がん


 皮膚がんのなかではもっとも発生頻度が高く、中高年に多発します。約80%が顔面に生じます。長い年月、皮膚が日光にあたるのが原因です。

症状


 黒褐色で光沢のある小結節(皮膚の表面に隆起したできもののうち、非炎症性で、大きさが直径5mm以上のものを結節(しこり)といい、結節より小さいものを小結節といいます)ができます。ほくろに似た平らなものもあります。やがて表面がただれてくずれます。転移はまれで、生命にかかわることは少ないのですが再発しがちです。

治療


 早期に切除すれば完治が期待できます。放射線、抗がん剤も使います。


悪性黒色腫(メラノーマ)


 全身に発生し、進行が速く転移しやすい悪性度の高いがんで近年、日本人にもふえてきました。日光に長期間あたる顔や首に多発し、外傷、靴ずれ、凍傷、やけどあとが誘因になります。脳や眼球、口腔粘膜にもみられます。

症状


 黒あるいはまだらな黒褐色の斑か結節で、大きさ、形はさまざま。2~3か月で急に大きくなり、赤くただれて出血するのが発見のサインです。爪では、まだらな黒褐色の色素沈着が広くでき、やがてくずれてきます。
 突然、手のひらや足の裏に黒色斑が出て、急に大きくなったり、いままであった小さな黒色斑が7mm以上になった場合は、皮膚科を受診してください。

治療


 がんの周囲皮膚を含めて切除します。他臓器への転移を予防するために、リンパ節除去も必要です。抗がん剤、放射線療法の併用もします。

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