膵(臓)がん(すいぞうがん)

どんな病気?


 膵臓を大きく三つに分けると、十二指腸に近い部分の膵頭部、まん中の膵体部、脾臓に近い膵尾部となります。膵がんは、膵頭部にできる膵頭部がんがもっとも多く、約60%を占めます。膵尾部がんがこれにつぎ、膵体部がんは少なくなります。
 原因はよくわかっていませんが、糖尿病慢性膵炎が危険要素となります。喫煙やコーヒーなどのとりすぎも誘因となります。
 好発年齢は50~70歳代で、とくに60歳代に多くみられます。膵がんは、消化器のがんのなかでは、もっとも診断が困難で治療成績の悪いがんの一つで、しかも最近ふえてきています。

症状


 膵臓は胃のうしろに位置しているため、がんが発生しても、早期には症状が現れにくく、自覚症状がでたときには病状がすすみ、手遅れの状態のことがめずらしくありません。
 ただ、膵頭部のがんの場合は、胆管の狭窄を引き起こすため、それによって黄疸が現れることで発見されます。
 その他の症状として、上腹部の不快感やにぶい痛み、腰や背中の痛み、体重減少、食欲不振などがみられ、上腹部にしこりをふれることがあります。

検査と診断


 血液検査、腫瘍マーカー(おもながんの検査と診断)、また腹部の超音波検査や腹部のCT検査などの画像診断、内視鏡を十二指腸まで入れて膵臓の状態を見る内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP(胆嚢がん))などで確実な診断をします。

治療


 手術による、がんの病巣部分の切除や膵臓の全摘が根本的な治療です。もっとも多い膵頭部のがんの場合は、膵頭部とその周囲の胃と十二指腸の一部、総胆管や胆嚢を切除して、残りの胃と十二指腸をつなぎます。切除が不可能な高齢者や進行がんでは、消化管の狭窄や黄疸を解消する経皮経肝胆管ドレナージ(胆管がん)、放射線療法(おもながんの検査と診断)、化学療法などを行います。膵臓切除後は、糖尿病が発症するので、その治療が必要になります。

あなたへのひとこと


 膵がんは、神経に広がりやすく、強い痛みがつづくのが特徴。遠慮なく医師や看護師に伝えて対処してもらいましょう。その際は鎮痛剤、モルヒネ(アヘン(麻薬)の主成分で、痛覚を抑制するため麻酔剤や鎮痛剤に使われます)や神経ブロック(末梢神経や経皮節などの神経系に局所麻酔薬や神経破壊薬を注射して、神経の伝達を遮断して痛みを止めます)などが使われます。術後は再発の早期発見や術後合併症(腸閉塞や黄疸など)の予防のため定期的な通院が必要です。
 退院後は、便通をよくして、脂ものは避け、カロリーは血糖の状態により主治医に指示をしてもらいます。
 膵がんは予防法がなく、初期症状もほとんどないため、早期発見が困難です。上腹部のもたれや鈍痛、やせてきて腰痛や背中の痛みがつづく、胃や胆道に病気がないのに、原因不明の腹痛がつづく、中年以降、突然、糖尿病が現れたときなどは膵がんを疑い、できるだけ早く超音波検査を受けてください。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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