どんな病気?
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて起こります。全身に症状がでますが、徐々に現れるので、自分でも気がつかなかったり、いつ発病したかわかりにくい病気です。
女性は男性の3~5倍も多く発症するといわれています。とくに20~30歳代に多く発病します。
原因
免疫反応に重要な役割を果たしているリンパ球が、自分の甲状腺を「自分ではない」と思い込み、自己抗体をつくる自己免疫疾患(免疫の異常)です。
この自己抗体が下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンと同じはたらきをするため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。
家族の体質の遺伝が関係しているともいわれています。
症状
「眼球の突出」「甲状腺が腫れて大きくなり、のどが太くなったように見える」「頻脈になる」の三つが特徴的な症状といわれています。

検査
つぎのような検査が行われます。
・問診で症状を聞き、毛髪や皮膚の状態、目のようす、手のふるえなどをみる。
・甲状腺を触診して、甲状腺の大きさ、硬さ、動き、結節(こぶ)、まわりのリンパ節の腫れなどを調べる。
・血液検査で甲状腺ホルモンや抗体などの測定をする。
・甲状腺エコー(超音波)で甲状腺の正確な大きさ、結節(こぶ)、炎症などを調べる。
検査結果によっては、ほかの検査が追加されます。
治療
治療法には、
医師と相談しながら、自分に合った治療法を選びますが、まずは薬を使う内科療法からはじめるのが一般的です。
内科療法で用いる抗甲状腺剤には2種類あります。どちらを使うにしても、一般的には1年半以上服用する必要があります。最初の治療として全員に行いますが、じんま疹、関節痛などの副作用が強い人には不適です。外来治療でだれでもかんたんに行えるメリットがありますが、改善に時間がかかり、薬の副作用があるといったデメリットもあります。
外科療法がうまくいった場合は、薬を飲まなくてもふつうの生活が送れます。女性は、首に残る手術の傷あとが気になるところですが、しわのように見えるので、それほど目だちません。薬が効かない人や甲状腺に腫瘍がある人などを対象に行います。麻酔が使えない人や、手術後、再発した人には不適です。確実に機能の改善がみられ、正常化が早いというメリットがありますが、入院が必要になることや首に傷あとが残るというデメリットもあります。
放射性剤治療は、大量の
あなたへのひとこと
甲状腺ホルモンの原料になる、ミネラル分のヨードをとりすぎると、抗甲状腺剤の効きめを悪くします。ヨードが大量に含まれている昆布などをたくさん食べないように注意しましょう。大量の薬を飲んでいる人、放射性剤療法を受けた人は、医師の許可があるまで避妊を。
また甲状腺の機能が正常になるまでは、疲れたり、情緒不安定になってイライラすることもあります。家族やまわりの人たちに、病気のせいであることをよく理解してもらい、疲れているときは家事などの協力も頼みましょう。
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