おもな食中毒の原因と症状、ケアと予防のポイント(おもなしょくちゅうどくのげんいんとしょうじょうけあとよぼうのぽいんと)

 病原体による感染源、潜伏期間、症状、それに対する予防のポイントはつぎのようになります。

サルモネラ菌(感染型)


●感染源・原因食品など 鶏卵、ウズラの卵、肉類、イヌ・ネコなどのペット。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:12~72時間。症状:吐き気、嘔吐、下痢、発熱(高熱が多い)。
●ケアと予防のポイント 適切な治療を受ければ症状は落ち着きますが、敗血症を起こすことがあり、血便をともなうような重傷の場合は、急いで病院へ。

腸炎ビブリオ菌(感染型)


●感染源・原因食品など 生の魚介類。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:10~24時間。症状:吐き気、嘔吐、腹痛、下痢(水様性血便が多い)、発熱(38度前後が多い)。
●ケアと予防のポイント 嘔吐、下痢などに対する対症療法が基本。

カンピロバクター菌(感染型)


●感染源・原因食品など 鶏肉、牛・豚肉、イヌ・ネコなどのペット。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:2~3日。症状:頭痛、不快感、発熱、嘔吐、腹痛、下痢(血便が多い)。
●ケアと予防のポイント 嘔吐、下痢に対する対症療法が基本。

病原大腸菌(感染型)


●感染源・原因食品など 大腸菌の種類によって特徴が異なりますが、海外熱帯地の水の汚染、肉類、井戸水、弁当など。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:5~12日。症状:吐き気、嘔吐、下痢(粘血便が出ることも)、腹痛、発熱。
●ケアと予防のポイント 最初は症状が軽くても腸管出血性大腸菌(O-157)では溶血性尿毒症症候群を併発し、重篤な経過をたどることがあるので、変化があればすぐ病院へ。
 溶血性尿毒症症候群は、細菌が産生するおもにベロ毒素により血液中の赤血球が破壊され、溶血性貧血や血小板減少、腎機能障害を起こすのが主症状。尿が出にくい、むくみ、けいれん、意識障害などの症状に要注意!

ノロウイルス(感染型)


●感染源・原因食品など
カキなどの2枚貝、水やノロウイルスに汚染された食品。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:24~48時間。症状:下痢(激しい水様便)、吐き気、腹痛、発熱(38度以下)、頭痛など。
●ケアと予防のポイント 発症してもかぜのような症状ですむことも。通常3日以内で回復。カキなどの2枚貝は十分に加熱して。感染者の便や吐しゃ物にふれたり、飛散しての二次感染も。便や吐しゃ物を片付けるときはマスクなどの着用と十分な消毒を。

黄色ブドウ球菌(毒素型)


●感染源・原因食品など 傷口にはブドウ球菌が多く、これが調理する人の手の傷口から食品(おにぎり、すし、サラダなど)に入り込むことが多い。毒素は熱を通しても死滅しません。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:2時間前後。症状:吐き気、嘔吐、下痢、短時間の発熱。
●ケアと予防のポイント 嘔吐や下痢に対する対症療法が基本。ブドウ球菌は口の中にもいるので、調理するときは唾液が食品に飛び散らないように注意。また、ブドウ球菌の毒素は耐熱性で、煮なおしても安全とはかぎらないので、調理したものは早く食べきることがたいせつです。

ボツリヌス菌(毒素型)


●感染源・原因食品など いずしやハム・ソーセージなどの加工品(密閉状態の食品)、はちみつ。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:2~4時間。症状:嘔吐、めまい、頭痛、視力の低下、舌のもつれ、呼吸困難、筋肉のマヒ。
●ケアと予防のポイント 発生はまれですが死亡するケースもあります。症状がでたらすぐ病院へ。1歳以下の乳児では、はちみつのなかのボツリヌス菌が腸内で繁殖しやすいので与えないことがたいせつです。

ウェルシュ菌(混合型)


●感染源・原因食品など 魚介類とその加工品、肉類とその加工品、調理後時間がたってから食べることが多い仕出し弁当や給食などで発生しやすい。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:8~20時間。症状:腹痛、下痢(血便のことも)。
●ケアと予防のポイント 下痢などに対する対症療法が基本。1~2日で自然に回復します。ウェルシュ菌は熱に強いので、加熱調理した場合でも冷蔵庫に入れて保存します。

セレウス菌(毒素型)


●感染源・原因食品など 調理後時間がたった米飯、焼き飯、めん類、肉類、スープ。
●潜伏期とおもな症状 潜伏期:嘔吐型1~5時間、下痢型8~16時間。症状:嘔吐または下痢。
●ケアと予防のポイント 嘔吐や下痢に対する対症療法が基本。1~2日で自然に回復します。セレウス菌は熱に強いので、加熱調理した場合でも冷蔵庫に入れて保存します。

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