脳血管性認知症(のうけっかんせいにんちしょう)

どんな病気?


 脳の血管を流れる血流が悪くなって(血流不全)、さまざまな認知症の症状が起こってくる病気です。日本人の認知症全体の約60%が、脳血管性認知症といわれています。

症状


 ものを覚える記銘力、覚えたことを保持する記憶力、人物、時間、場所などを認識する見当識、物事を系統立てて考え、判断する思考力などが低下してきます。
 年齢のわりに、もの忘れが多い、少しのことで泣いたり、怒ったり、笑ったりするようになる、計算ができないなどの症状が現れます。自分が病気であるという認識は比較的保たれている点が、アルツハイマー病とは異なります。ときに、脳血管性認知症とアルツハイマー病が合併することもあります(混合型認知症)。

原因


 脳卒中の発作後の後遺症として現れてくる場合が多いのですが、症状がでない小さな梗塞(脳ドックで見つかる脳血管の病気)が多発しているために、徐々に認知症が進行してくることもあります。多くは認知症の症状のほか、歩行障害、嚥下障害(飲食物を飲み込みにくい)、尿失禁など、運動機能のマヒなどをともない、徐々に進行していきます。

治療


 アルツハイマー病とちがって、多くの場合は、MRIやCTなどの画像検査、マヒなどの症状の有無、高血圧糖尿病高脂血症、肥満、喫煙歴、飲酒歴、睡眠時無呼吸症候群など、脳の動脈硬化を促進する危険因子があるかどうかなどで診断がつきます。薬物療法、運動療法、食事療法など、危険因子を排除する生活が必要です。
 症状の進行を抑えるために、脳血管拡張剤、脳代謝賦活剤、抗血小板剤などの薬を使用することもあります。

家族の方へ


 徘徊癖がある人には、迷子札をつけたり、PHSやGPS(全地球測位システム)を使って現在位置を知らせる機器、玄関を出るとブザーで知らせる感知機などを使う方法もあります。介護保険が適用される場合もあるので、病院や介護用品店、患者の会などに相談しましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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