卵巣がんの進行状態と治療法(らんそうがんのしんこうじょうたいとちりょうほう)


I


進行段階



 卵巣の早期がん。卵巣の片側または両側の卵巣内だけにとどまっていて、どこにも転移していない状態。
 この段階で発見されるのは卵巣がんの約40%。
 低悪性(中間)群の90%はI期で発見される。

おもな自覚症状


 初期は自覚症状がほとんどないが、下腹部が張って、ふくれている感じがする(下腹部膨満)。
 肥満とまちがえやすいので注意を。

治療法


・悪性群には根治手術(子宮全摘術、両側の卵巣卵管摘出、大網切除、リンパ節切除)を行う。
・悪性群でも、妊娠を強く希望する若い人の場合、ごく初期は、がんがある側の卵巣だけを切除することもある。
・低悪性(中間)群では、ふつうは腫瘍のある側の卵巣を摘出するのみ。
・5年生存率→低悪性(中間)群は、ほぼ100%。悪性群は70~80%。

II


進行段階



 がんが、卵管や子宮などに広がっているものの、骨盤内におさまっている状態。

おもな自覚症状


 I期とほぼ同じで、下腹部が張って、ふくれた感じがする。

治療法


・根治手術(子宮全摘術、両側の卵巣卵管摘出、大網切除、リンパ節切除)をする。
・5年生存率→約50%。

III


進行段階



 がんが、骨盤外の腹腔全体に広がっている状態。

おもな自覚症状


・下腹部にしこりをふれたり、おなかが張っている。
・腹水がたまって、おなかがふくれてくる。
・全身倦怠、食欲不振、体重減少、貧血、体力消耗などの全身症状が現れる。

治療法


・がんが腹膜に転移している場合は、がんをできるだけ取り除き、化学療法を行う。
・5年生存率→10~30%。

IV


進行段階



 がんが、腹腔をこえて、遠く離れた肺や肝臓などの臓器に転移している状態。

おもな自覚症状


 III期と同じ。

治療法


・この段階では、根治手術(子宮全摘術、両側の卵巣卵管摘出、大網切除、リンパ節切除)は不可能なので、抗がん剤を使用する。
・5年生存率→約15%。
◆5年生存率=がんの治療後5年をへて、生存している割合を示します。
◆治療法についての詳しい説明は、卵巣がんの「治療」を参照してください。

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