予防する病気
B型肝炎(「B型肝炎」)を予防します。この病気は、B型肝炎ウイルスをもつ人の血液や唾液などを介して感染します。お母さんがB型肝炎のキャリア(ウイルスをもっていて症状がでない人)の場合、妊娠中に胎盤をとおして赤ちゃんに感染したり、出産のときに出血した血液を介して、産道で赤ちゃんが感染することがあります(母子感染(「乳児B型肝炎」))。肝臓に炎症を起こし、黄疸(「生理的黄疸」)などが現れ、進行すると劇症肝炎(「劇症肝炎」)や肝硬変(「肝硬変」)などを引き起こします。ワクチンの種類
不活化ワクチンの皮下注射を腕にします。
理想の接種年齢
生後2か月から接種が可能で、4週間隔で2回、1回めから20〜24週あけて3回めを接種します。また、Hib、小児用肺炎球菌、ロタウイルスとの同時接種もできます表「予防接種のスケジュール表」
B型肝炎のキャリアのお母さんから生まれた赤ちゃんでは、生まれてから12時間以内と生後2か月に、B型肝炎用ガンマ‐グロブリンを接種、さらに生後5か月に、不活化ワクチンを接種します。この場合の予防接種は、健康保険の対象となります。
副反応
副反応はほとんどありません。まれに、接種のあとがはれたり、赤くなることがありますが、すぐに引きます。
こんなことが気がかり
父親がキャリア。子どもに接種は必要か?
お父さんを含めて、家族内にB型肝炎のキャリアがいる場合、かならず感染するというわけではありません。しかし、家族、とくに親子は、ふれる機会が多いので、やはり、うつる確率はほかの人より高くなると思われます。
感染の不安をかかえながら子どもに接するのもつらいものですし、もし感染した場合、治療法がなく後悔することになります。子どもだけでなく、ほかの家族も血液検査を受け、抗体がなければ、予防接種しておくと安心です。
家族やまわりにキャリアがいなくても接種はしたほうがいい?
欧米諸国では、B型肝炎の予防接種は、子ども全員に義務づけられています。これは、B型肝炎は、性行為でもうつる病気なので、将来的なことを考慮して、子どものときにあらかじめ接種をして、予防措置をしておこうという考え方です。
日本でも、母子感染による予防と、ワクチン接種による予防が(定期接種)になっています。ちなみにWHO(世界保健機関)では、世界じゅうの新生児が接種を受けることをすすめています。この場合は、ガンマ‐グロブリンの接種はなく、接種年齢に制約はありません。
表「予防接種のワクチンのタイプと間隔」
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