★いつまでも親にベタベタ甘える

学校での勉強やテスト、友だちとの関係、さらには塾通い、ピアノや絵などの習い事、スポーツクラブなど、現代の子どもを取り巻く生活環境は、大人以上にストレス社会といわれます。
幼児期を卒業しても、子どもが親にベタベタと甘えるのは、こうしたストレスの苦痛を癒したいというストレートな気持ちの表れです。ありのままの自分を親にさらけだしているのです。
このような子どもの甘えは、お母さんがゆとりをもって受け止めてあげましょう。親がやわらかく受け止めてあげれば、子どもは安心してがんばる意欲がわいてきます。親からエネルギーをもらった子どもはストレスを乗り越えて新しいことに向かっていきます。
「もう大きいのに甘えてばかりではだめ」とつきはなしてしまっては、子どもは不安や緊張のもっていき場がなく、さらにストレスを増大させたり、かえって自立できなくなったりします。
甘やかすのではなく、子どもが求めてきたときに十分甘えさせてあげることは、子どもの心の安定に不可欠です。
★子どもの頭にハゲができた
子どもの毛髪異常でもっとも多いのは円形脱毛症(「円形脱毛症」)です。その多くはストレスによって自律神経のバランスがくずれたために引き起こされる脱毛です。すぐには治らないことが多く、やっかいですが、大半は時間の経過とともに解消し、半年から1年ほどで自然に髪が生えてきます。
もう1つ、ストレスによって引き起こされる脱毛に、抜毛症(「自分の髪の毛を抜く」)があります。これは、一種のくせで、無意識に自分で髪の毛、まゆ毛などをブチブチと抜いてハゲにしてしまうのです。
これらは、いずれも脱毛、抜毛の治療と同時に、子どもの生活全体を見直して、子どもの緊張や不安を取り除き、心身を安定させることが大切です。
とくに抜毛症の場合は、親が注意したり、やめさせようとするよりも、生活の中で、ほかにリラックスできる方法や場をみつけてあげましょう。また、治療の一環として心理的な相談を受けてみましょう(「子どもの心の病気・相談機関・受診機関」)。
★しじゅうせきばらいをする
かぜをひいたり、声がわりの時期でもないのに、しじゅうせきばらいをしているというのはチック(「チック」)の1つです。自分では意識していないのに、精神的な緊張から、目をパチパチさせたり、口をゆがめたり、ほおをピクピクさせたり、鼻をならしたり、せきばらいをするなど、同じ筋肉の動きがくり返されるのがチックです。
こうした症状は、学校の発表会や運動会などの行事の前からはじまる場合が多く、失敗しないだろうか、うまくやれるだろうか、といった不安や過度に緊張した状態が症状につながります。大人でも音楽会や講演会などがはじまる前に、静かにしなくてはと緊張するあまり、逆にせきばらいしてしまうということはよく経験することです。
ほとんどの場合、一過性のものですから、気にしないでいるのがいちばんです。やめるように注意すればするほど、かえって長期化したり、くせとして固定化してしまうことがあります。
★自分をコントロールできない
人間は年齢に応じて、自分が置かれた状況にふさわしい行動がだんだんとれるようになります。幼稚園児でも、親や園などのしつけにより、集団内での自分の立場を幼いなりに把握し、友だちとのかかわりや、おとなしくしていなければならない場面などの認識をもちます。
ところが、知的にはとくに障害はないのに、その子どもの行動の中に集団や社会に適応しにくいものがあるときに、人とのつきあいべたなどによる情緒の不安定を疑うことがあります。本来の意味あいは異なりますが、最近よく耳にする「キレる」という行動も、この中に含まれることがあります。
こうしたケースの例として多いのは、友だちの輪に入れない、落ち着きがなく、多動、他人のものをよくこわす、すぐかっとなる、話しかけるとおうむ返しに答えるなどですが、さらにもう1つの特徴としてパニック状態が指摘されています。ささいなことに突然、おこりだしたり、暴れだしたりして手がつけられない状態になる、つまりは心の衝動を自分の意思で自律的におさえることができない状態のことです。
心のトラブルがあるとパニック状態になるものですが、情緒の不安定な子どものタイプはさまざま。まずはその子の特徴をきちんと把握して安定できる環境づくりを考えることが大切です。
小児科医など専門家に相談すれば、そうした特徴を見きわめたうえで、親の適切な対処法を教えてくれます。
★過食・拒食
(「思春期に多い食行動障害(摂食障害)」)
過食、拒食はいっけん、逆のようですが、根は同じで、心が不安定なサインです。どちらも不安やストレスが引き金となります。「太ってはいけない、やせなくてはいけない」という強迫観念に心が支配されてしまい、脳の食欲中枢をくるわせてしまった結果なのです。
過食の子は多くの場合、食べたくて食べているのではありません。泣きながら常識では考えられないほどの量を食べてしまい、あとで強烈な自己嫌悪におそわれ、吐くことをくり返します。
一方、拒食は、極度のやせ願望の結果、どこまでも自分の体をそぎ落とし、体を維持するために必要な体重の限度を超えてやせてしまいます。拒食かどうかの判断は標準体重の80%を切るかどうかが基準とされています。拒食が進行すると体はガリガリにやせ、月経が不順になり、皮膚や髪の毛のつやもなくなってついには月経も止まります。つまり栄養失調と同じ状態になるのですが、標準体重の70%を切ると、生体機能が正常にはたらかなくなり、重度の拒食では死にいたることもあります。
拒食におちいる子どもの共通点は、きちょう面、完璧主義、なにごとにも意欲的、聡明、家庭は中流以上などです。思春期の女の子に現れることが多いので、以前は「思春期やせ症」「神経性食欲不振症」などと呼ばれていましたが、原因としては、いまのあるがままの自分を受け入れることができず、いつも不安な状態でいること、また、大人になりたくないという成熟拒否の気持ちが、思春期になって現れてくる女性らしいふっくらした体つきを嫌い、やせ願望をまねくなどが考えられます。
こうした食べ方の異常に気づくことができるのは、やはり家族、なかでもお母さんです。極端な体重減少の前に早めに医師に相談することです。
★自分の部屋に閉じこもる
学校や社会、他人とのかかわりをほとんど断ち、自宅や自分の部屋に閉じこもって家族とさえ口をきかない「引きこもり」現象がふえているといわれます。まわりの世界から逃避し、人間関係を拒絶する子どもたちは、人とのかかわりがこわい、というところまで追いこまれています。一方で人とふれあうことを心の底では望んでもいて、そのはざまで苦しんでいるのです。
対処法としては、すこしずつでよいから人間関係を築き直すことからはじめます。不安感を軽減する薬の投与や、専門家による親子でのカウンセリングなども効果的です。精神疾患の前ぶれであることも考えられるので、親だけで問題をかかえこまず、まずは医師に相談してみましょう。(「心の病気」)
ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。
掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。