内科的スポーツ障害を防ぐ(ないかてきすぽーつしょうがいをふせぐ)

心疾患の予防

 運動中には、けがや骨折などの外科的な障害だけでなく、内科的な障害が生じることがあります。
 運動中は心臓のはたらきが活発になり、多くの血液が流れます。心拍数がふえ、収縮力も強くなり、血圧も上昇してきます。これが長いあいだ続くと、こうした運動中の環境に適応するために、心臓が変化してきます。これをスポーツ心臓といいます。心臓は肥大し、心電図の上でも不整脈がでたり、変化が起きます。
 とくに、運動によって誘発される不整脈を、運動誘発性不整脈といいます。多くは、それまで心臓に異常がなかったり、症状がなかったのに、この症状がでてきます。こうした不整脈は、ときに、突然死に結びつくこともあるので、注意が必要です。これらの障害は、スポーツをやめれば、正常になります。
 予防するには、定期的に健康診断を受けて、スポーツによる心疾患を早く発見することが大切です。それによって突然死はかなり防ぐことができます。
 また、疲労がはげしいとき、前日、十分に睡眠がとれなかったとき、食事を抜いたとき、気分が悪いなど体調が不良なときは運動を中止します。運動をする前には、ウォーミングアップを行い、体全体をあたため、筋肉をほぐし、さらに脈拍のチェックを行います。
 運動中に気分が悪くなったら、指導者に話し、その場で運動を中止します。がまんして続けることがないよう、子どもに話しておくと同時に、指導者も子どもに根性をしいることがないようにします。

熱中症の予防


 マラソンやサッカーなどのスポーツで、急死するときの原因の多くは、熱中症です。炎天下で水分をとらずに練習しているうちに脱水症状を起こし、体温が異常に上昇して意識がなくなり死亡します。
 熱中症を予防するためには、気象条件に注意して、炎天下での運動は中止し、スポーツ中にも、しばしば水を飲む習慣をつけます。運動をはじめる前に水を十分に飲み、さらにペットボトルに水や麦茶、ウーロン茶などを入れて携帯し、運動中、飲みたいときに十分に飲ませます。このようにしても、水分は不足します。運動前後で体重をはかり、減ったぶんは水分が不足していると考えて補給します。

スポーツ貧血の予防


 成長期には鉄分が必要ですが、スポーツによってエネルギーを使い、汗をかくことによって、さらに鉄が使われて減り、貧血をまねきます。
 元気がなくなったり、記録が落ちてきたときは、スポーツ貧血が原因になっていることもあります。運動量を減らし、鉄剤を飲んだり、バランスのよい食事で鉄分を補給するうちに治ります。
 こうした貧血を防ぐためにも、定期的に検査を受ける必要があります。
グラフ「おもなスポーツ外傷・障害の頻度」

ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。

掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

今すぐ病院検索&予約
待ち時間なくラクラク受診♪

近くの病院を探す

関連するキーワード

心疾患 心臓肥大 スポーツ心臓 スポーツ貧血 脱水症状 鉄欠乏性貧血 鉄分 突然死 熱中症 貧血 不整脈 スポーツ障害 内科的スポーツ障害

関連記事

「熱中症の応急手当て」
「不整脈」
「鉄欠乏性貧血」
「スポーツによる障害」
「各栄養素をバランスよく摂取しよう/鉄分」
ベビカム医学辞典
powerd by babycome