停留睾丸(停留精巣)(ていりゅうこうがん)

どんな病気?


男の子の病気で、陰嚢に睾丸(精巣)がおさまっていない状態です。

症状


睾丸(精巣)がおさまっている袋を陰嚢といい、ここにふれても、手応えがなく、鼠径部(足のつけ根)に丸いしこりがあるのに気づきます。

原因


睾丸は、胎児期のはじめに腹腔でつくられ、成長するにつれてしだいに下降します。そして生まれるころには、陰嚢におさまるのがふつうです。ところが、なんらかの原因で下降が障害され、途中の腹腔や鼠径部のあたりで止まってしまうことがあります。この状態が停留睾丸です。
 成熟児では3%、未熟児では30%にみられるもので、太もものつけ根に小腸が飛び出す鼠径ヘルニア(「鼠径ヘルニア」)を合併することもあります。
 停留睾丸は、片側だけに起こるケースが約80%、睾丸が両側とも下降しない両側性のケースが約20%です。両側性は、未熟児に多くみられますが、大部分は自然に下降してきます。
 停留睾丸をそのまま放置しておくと、将来、精子をつくる能力が低下して不妊症になったり、がんなどの悪性腫瘍の原因になると考えられています。

治療


生後5~6か月から1歳くらいまでに、睾丸が自然に陰嚢に下りてくることもあるため、しばらくは経過を観察しながらようすをみます。
 しかし、この場合、未熟児とちがって、成熟児では自然下降する可能性はかなり低くなるようです。
 1歳をすぎても、睾丸が陰嚢に下りてこないと、睾丸は徐々に萎縮しはじめます。その前に、手術で睾丸を下ろして正常な位置に固定します。
 1時間以内で終わる安全な手術で、3日程度の入院が必要になります。

家庭でのケア


陰嚢にふれて調べてみましょう。気づいたときは、早めに受診して、適切な処置を受けます。
図「停留睾丸」

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