お部屋別に安全チェック!

階段

階段は事故の多発地帯、住宅の中でも危険な部分

0~5歳までの危害原因上位8点(消費生活年報2005)

国民生活センターが収集した、子どもの事故で病院を訪れたケースでは、階段での事故が目立って多くなっています。0~2歳、3~5歳とそれぞれの年齢層では第2位となっていますが、0~5歳までのトータルでは階段が第1位を占めており、どの年齢でも注意の必要な場所であるといえます。平成17年の人口動態統計でも、家庭内における階段及びステップからの転落及びその上での転倒による死亡者総数は485人となっています。

階段での事故は子どもやお年寄りだけではなく、元気な大人でも急な階段や、あるいは物を持って上り下りしたときは、踏み外す恐れがあります。事故のほとんどが、階段が「すべりやすい」「急である」「手すりがついていない」ことで起きています。逆にこれらの問題をクリアすれば、かなり予防できると考えられます。

階段は住宅の中でも危険な部分。重大事故にもつながりますので、安全対策が急がれます。

アドバイス ベビーフェンスなどで階段の転落防止

ハイハイするようになってくると、階段まわりは目が離せません。子どもが勝手に階段を上り下りしないように、階段の上や下にフェンスをつけることで事故の大部分は防げます。いろいろな種類のベビーフェンスが市販されています。SGマークの確認も忘れないで選びましょう。

階段を上り下りができるようになっても、足元をしっかり見るように声をかけ、小さいうちは転んでも支えられるように、親は手をとったり子どもの横か下側を歩きましょう。階段には上り下りがしやすいように、ものを置かないことも大切です。階段は子どもにとって好奇心を満たす素敵な場所でもありますが、ふだんから階段で遊ばせないようにしましょう。できれば子どもの手の大きさや背たけにあわせて、子ども用の手すりがつけられれば安心。大きくなったら取り除けるようなものをとりつければ便利です。すべり止めや毛足の短いカーペットを敷いて、すべりにくくする方法も。靴下やスリッパはすべりやすいので要注意。

安全対策1 踊り場

踊り場

階段の昇降はそれ自体が負担となるばかりでなく、昇降中すべったり、つまづいたりすると、下まで転落してしまうという大きな事故になりかねません。設計にあたって、このような危険をできるだけ少なく配慮が必要です。

折り階段で踊り場を設けるのがベスト

単純な直階段に比べ、回り階段を組みあわせた階段は事故が起きやすいものです。また、万一事故が起きた場合、踊り場のないものや直階段はけがを重大なものにしています。事故の発生頻度とけがの軽減度の両面から考えた階段の設計をしましょう。それをみていくと、Eのパターンのように折り階段で踊り場をつけるのが、最良のパターンです。また、BとDのパターンは足を踏みはずしやすく、またBの場合は、階段の上部で転落すると重大な事故につながりますので、極力避けた方が良いでしょう。

折り階段で踊り場を設けるのがベスト

安全対策2 てすり

階段の安全対策として手すりは基本です。特に設計上の限界がある場合でも、手すりはつけやすく、事故対策としても有効です。

てすり

1. できれば全長、両側に

手すりを階段全長にわたって、両側につけるのが理想的です。設置の際は、継ぎ目がなく、持ちかえる必要のない手すりが望ましいでしょう。

2. 子ども用も、もう1本

階段手すりの高さは80~90cmが適当。子どものために一段下にもう1本手すりが設けられれば安心です。さらに、吹き抜けに面した2階ホールなど転落の恐れのある場所では、バルコニーなどの手すりなみに110cm以上の高さの墜落防止用の手すりが必要でしょう。また、手すり子の幅も11cm以下にすれば安心です。

手すりはにぎりやすいものを

3. 手すりはにぎりやすいものを

階段手すりはにぎりやすい形のものを選びます。円形断面の場合は、直径32~42mm程度のものが比較的にぎりやすい寸法といえるでしょう。さらに、手すりと壁のすき間も30~40mm位で、指がこすれない程度にとってください。そして、有効階段幅(建築基準法では75cm以上)も同時に満たすようにしたいものです。階段幅を有効にとるために壁に埋め込んで出っ張りのない手すりも検討してみてください。

4. 階段端からさらにのばす

階段端部から、さらに30cmほど水平にのばすと昇降の際安全です。また、手すりの端部は、体をぶつけたり、衣類をひっかけたりしない形のものにしましょう。

安全対策3 階段の勾配と幅

階段の勾配と幅

蹴上げ、踏み面寸法については建築基準法で定められています。最大56度まで許容されていますが、そのような急勾配の階段は一般的な使用にはとても耐えられませんので、できれば45度以下で設計しましょう。

階段の勾配と幅

スペースに限りがあるなかでは、なかなかむずかしいものですが、安全のためにはできるかぎり幅の広い階段を。大人でも二人一緒に階段を通れる広さは、子どもの世話やお年寄りの介護がしやすいだけではなく、健常者でも大きな荷物をもって上がり下りするときには安心です。

安全対策4 すべりにくい工夫を

すべりにくい工夫を

1.

木製の階段よりもカーペット階段の方が、すべりにくい材料といえます。ただし、毛足の長いものや、使用中にたるみがくるものはすべりやすく危険ですので、カーペットの種類や取りつけには十分注意を払いましょう。

2.

市販のすべり止めをつけるのも、手軽な安全対策です。ただし、極端に出っ張ると逆につまずく原因にもなりますので注意をしましょう。木製階段にするときには、段鼻にすべりにくいように溝を切っておくのもよいでしょう。

安全対策5 設計上のポイント

設計上のポイント

階段と通路・ドアの関係も考慮

階段と通路とドアの関係は、設計により、つまずいたり、踏み外したり、ドアにぶつかる恐れがあります。危険にならないような設計をしましょう。

安全対策6 階段まわりは明るく

階段まわりは明るく

採光や照明により、暗い部分をつくらないようにします。窓や照明器具が1カ所の場合、階段全面を照らすような位置にしたいものです。

1. 足元灯をつける

足元に明かりがあれば夜も安心です。

2. 階段上下のスイッチ

階段の上でも下でも点滅できる、三路式スイッチをつけましょう。上がるときでも下りるときでも、明るい状態にできるので安心です。

powerd by babycome
  • ミサワからのプレゼント
  • ミッフィーの子育てにいいおうち
  • JUST PLUS
  • ホームコモンズ設計

お気に入り