薬の目的と種類について知ろう(くすりのもくてきとしゅるいについてしろう)

薬はなぜ飲まなければいけないの?


 私たちのからだには、けがや病気を自分の力で治す「自然治癒力」が備わっています。したがって、軽い病気であれば、十分な栄養をとったり休息をしたりすることで自然治癒力がはたらいて回復できます。
 しかし、病気の力が強かったり、からだの抵抗力が弱かったりすると、自然治癒力だけでは治らなくなります。このようなときに、つらい症状をやわらげたり、病気を治す手伝いをしてくれるのが薬です。そのほか慢性的な疾患では、必要な薬を確実に飲みつづけていくことで、病気の再発や、ぜんそくなど発作の予防が期待できます。

処方薬と市販薬はどうちがう?


 ちがいは、薬の効きめにあります。処方薬は、医師が患者さんを診察し、その症状や状態に合わせて選んでいますから、適切な効きめが期待できます。
 それに対し、市販薬は万人向けの薬ですから、安全性を重視してつくられています。そのため、厚生労働省で許可されている薬の種類が処方薬とは異なり、薬効成分の量なども処方薬より少なめです。したがって、処方薬にくらべて薬の効き方が弱くなっています。
 症状が軽くて病院にいくほどではないときは、とりあえず市販薬を用いてようすをみるのもよいのですが、症状がつらいときや、2~3日市販薬を飲んでも症状がよくならないときは、きちんと受診して薬を処方してもらいましょう。

薬はなぜ用法・用量を守らなければいけない?


 薬が効果を発揮するには、血液のなかに吸収された薬の濃度(血中濃度)が適切に保たれていることが必要です。
 薬の量が少なかったり、薬の服用間隔があいてしまうと、血中濃度が低くなって、薬の効果が期待できません。
 反対に薬の量が多い場合や、服用間隔が短いときには、血中濃度が高くなるために、薬が効きすぎて副作用がでることがあります。
 薬を指示どおりに飲むことは、薬の血中濃度を一定に保つために大事なこと。自分で判断して、薬の量や回数を勝手に増減しないようにしましょう。

体内に入った薬はどのようにして効くの?


 薬は、病気を起こしている患部まで運ばれて、はじめて効果を発揮します。そのために、全身をめぐっている血液の流れに乗って、目的の場所まで運ばれるシステムになっています。
 投与の方法によって、薬はつぎのような形で血液に吸収されていきます。
●飲み薬…体内に入った薬効成分はおもに腸で吸収され、肝臓を通って血液の流れにのります。
●塗り薬・貼り薬…成分が皮膚から吸収されて末梢血管から血流に入ります。
●吸入薬…気管などの粘膜から直接吸収されて作用します。
●坐薬…直接、腸などの粘膜から吸収されて、血流に乗って全身に効きます。
●注射…皮下注射は、薬効成分が末梢血管を通って吸収されます。静脈注射では、薬を直接血液に送り込めます。
 薬効成分は血流に入って、必要とされる場所まで運ばれていきます。役目をはたしたあとは、体内に残っていると害になることもあるため、肝臓で代謝・分解され、腎臓から尿といっしょに排泄されたり、肝臓から分泌される胆汁に混ざって便といっしょに排泄されたりします。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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