ホルモンバランスの乱れで起こるからだの不調
女性は、40歳半ばくらいから、さまざまなからだの変化を感じるようになります。おもに月経が不規則になる、顔やからだがほてる、腰や手足は冷える、イライラしたり気分が落ち込む、また、眠れない、頭痛がするなどです。
こうしたからだの変調で「更年期」のはじまりを自覚することになります。更年期とは、医学的には、閉経前後の計10年ぐらいをいい、閉経とは、女性ホルモン(エストロゲン)をつくっていた卵巣が衰え、そのはたらきを止めた状態です。エストロゲンが減ることにより、さまざまな影響、つまり更年期の症状がでてくるわけです。日常生活にも影響するようなひどい症状がでる場合、それを更年期障害と呼びます。
自分のからだを知り、自分で健康管理する
エストロゲンは、生殖機能だけでなく、女性の健康を保つうえで大きな役割を果たしています。ですから、エストロゲンが低下していくことによって起こる更年期の症状は、不定愁訴などの自律神経失調症状(心身症)から、高脂血症や骨粗鬆症にいたるまでいろいろです。またその症状も、がまんできるものから障害と呼ぶものまでさまざまです。
しかし、こうした症状は、ある日突然起こるのではありません。生活習慣、ストレスなどを含め、いままで自分が蓄積してきたさまざまなものが、エストロゲンの低下をきっかけに、からだに表出してきたということなのです。
ですからこの時期は、まず自分のからだがいまどういう状態であるかをきちんと知ることがたいせつです。そして、不具合があれば、それを改善していきましょう。バランスのよい食生活、適度な運動、十分な睡眠、いきいきと張りのある気持ちを持てているかなど、生活と自分のからだを見直しましょう。
折り返し地点で前向きに再スタート
この時期は、子どものいる人は子どもが自立、独立し、開放感と同時に喪失感もあります。また、介護や老後の問題もかかえ、はたらいている人は職場での責任も重くなり、さまざまなストレスがふえる時期です。それにからだの不調が加わり、つらく苦しいと思う人も少なくありません。
しかし、この時期をどう乗り越えるかで、その後の人生の充実度が決まってくるといえます。更年期は、高齢期に入っても健康でいきいきとすごすための戦略を立てるときなのです。これからなにをしたいのか、どう生きていくのか、今後の生き方をポジティブな姿勢で考えましょう。そのために、パートナーをはじめ、まわりの人たちの協力をあおぐこともたいせつです。
もし症状がつらい場合は婦人科を訪ねてください。不調のまま、ぐずぐずとほうっておくことは、その後の生活の質も落とします。治療すべきことは治療して症状を軽くし、また、食事や運動などの生活面も見直して、更年期を今後の充実のためのメンテナンス期間と考えることが大事です。
更年期障害ではない場合も。定期的な健診がたいせつ
いろいろと不調がでる時期ですが、なんでも更年期のせいにするのは危険です。同じような症状でも、更年期障害ではなくて、病気が原因のこともあるからです。
そのためにも、定期的に健康診断を受けていると安心です。この年代になると、がんの危険も増しますし、高脂血症など、生活習慣病の発症の確率もぐんとふえてきます。
ですから、具合の悪いところがあり、日ごろ健診を受けていないのであれば、かんたんに更年期障害と決めつけずに、まずは健診を受けましょう。そのあと、症状に応じた専門科で検査をしてもらいます。更年期障害であれば、いろいろな治療法がありますから、婦人科を受診して不快感を解消しましょう。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。