全身性エリテマトーデス(SLE)(ぜんしんせいえりてまとーですえすえるいー)

どんな病気?


 全身の皮膚、関節、腎臓や神経などさまざまな臓器に、慢性的な炎症が起きる病気です。患者さんの9割は女性で、20~30歳代に多くみられます。診断10年後の生存率は90%です。

症状


 いろいろな臓器に症状が現れますが(全身性エリテマトーデスの症状)、ひとりひとり現れる症状はちがいます。
 症状はよくなったり悪くなったり(寛解と増悪)をくり返しながら慢性的に経過します。腎障害、中枢神経症状が現れたり、感染症を併発すると生命に危険がおよぶことがあります。

原因


 原因は不明ですが、遺伝的素因を持った人に、ウイルスなどの感染、ホルモン、紫外線、薬物などの環境因子が引き金になって、免疫の異常が起こると考えられています。

治療


 基本は薬物療法です。症状の程度によって薬の種類や量を使い分けます。症状が軽い関節炎程度なら、非ステロイド系の抗炎症剤を使います。
 中枢神経障害、腎臓障害、血液障害が現れたときは、入院してステロイド剤や免疫抑制剤で治療します。病状によって、入院は2週間から3か月におよぶこともあります。
 ステロイド剤は強い炎症を抑える効果がありますが、その副作用で、肥満、高血圧(高血圧症)、高脂血症糖尿病骨粗鬆症、感染症にかかりやすくなったり、白内障などがみられることもあります。

あなたへのひとこと


 つぎのことに気をつけます。
・慢性の病気なので、栄養バランスのいい食事をとり、体力を維持する。
・抵抗力が落ちるので、うがいや手洗いをして、感染を予防する。
・日光過敏の人は、帽子をかぶったり、長袖を着て日にあたることを避ける。
・妊娠・出産で病気が悪化する可能性があるので、妊娠を希望する人は医師とよく相談する。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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