過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)

どんな病気?


 精神的なストレスが原因で腸の運動や、腸液の分泌が悪くなり、下痢や便秘、腹痛をはじめとするさまざまな症状を慢性的に生じる病気です。検査をしてもがんや潰瘍などの心配な病気は見あたりません。
 以前は過敏性大腸、あるいは過敏性大腸症候群と呼ばれていましたが、大腸だけでなく、消化管全体に機能障害が起こる病気であるため、現在は過敏性腸症候群と呼ばれます。腸の症状を訴えて受診する人の半数以上を占める頻度の高い病気です。便通の状態により、大きく便秘型、下痢型、下痢と便秘をくり返す交互型に分けられます。女性では便秘型が多いようです。

症状


 下痢、便秘、下痢と便秘が交互に起こる交互型便通異常、腹痛がおもな症状です。腹痛は痛む場所が一定しません。また、排便によって腹痛が軽くなる、食後に症状が悪化する、症状が朝に多くみられ、週末には改善するといった特徴がみられます。
 ほかに、排便後に便が残っている感じがする残便感、おなかがふくれた感じがする膨満感、食欲不振といった症状もみられます。

原因


 もともとストレスをためやすい人に多くみられるようです。暴飲暴食なども誘因として考えられますが、多くは職場や学校、家庭内で受ける精神的なストレスが原因です。

検査


 消化器専門医の診察を受け、がん、ポリープ、潰瘍、腸炎などがないか確かめます。腸のX線検査、造影検査や内視鏡検査、便に血液が混じっていないかを調べる潜血検査が必要です。
 検査でほかに病気がないことがわかったら、この病気の可能性を考えます。

治療


 過敏性腸症候群と診断されたら、なにより精神的な安静を心がけます。ストレスの原因をはっきりさせ、その原因を排除できればよいのですが、多くの場合、原因がわからず、わかっても状況を改善するのはむずかしいでしょう。その場合は、抗不安剤や腸の運動調節剤を服用します。それでも効果がないようなら、心療内科などの専門医を受診するのも一つの方法です。

あなたへのひとこと


 暴飲暴食を避け、規則正しい生活と排便習慣をつけることが大事。便秘型の人は食物繊維の摂取を心がけ、下痢型の人は牛乳や冷たいもの、食物繊維をひかえます。
 過労を避け、適度な運動、睡眠、休息をとって心身ともにリラックスを心がけます。たとえば共働きで家事などが負担となっているなら、パートナーと分担しましょう。スポーツや趣味などによるストレスの発散も効果的です。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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