慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)(まんせいじんえん)

どんな病気?


腎臓が炎症を起こしたもので、症状が長引いて、治りにくいタイプの腎炎をいいます。

症状


6か月以上、血尿やたんぱく尿がみられます。症状がすすむと、むくみが現れ、血圧も高くなります。
 さらに腎臓機能が低下すると、倦怠感、食欲不振、頭痛などの症状もみられるようになります。

原因


急性腎炎が悪化して慢性腎炎になることはほとんどありません。
 多くの場合、初期症状がまったくなく、血尿も肉眼では判別できないため、いつ発病したのかわからないのです。日本では、幼稚園や学校の集団検尿で見つかったり、ほかの病気で検尿をして偶然に発見される例が多いようです。
 慢性腎炎にはいろいろな種類がありますが、とくに子どもに多くみられるのがIgA腎症です。
 これは、腎臓の糸球体の血管と血管のあいだにある細胞が増殖し、さらにそこに免疫にかかわるたんぱく質の1つである免疫グロブリン(IgA)が沈着して糸球体に障害を起こす腎炎です。
 この場合、かぜをひくたびに血尿をくり返すのが特徴です。
 原因はまだわかっていませんが、体質的なものが関係しているといわれています。

治療


糸球体の障害の度合いによって、治りやすいものから、徐々に悪化して、将来、慢性腎不全(「腎不全」)へ進行するものまであります。
 この病気は、早期発見、早期治療が有効で、早い時期に免疫抑制剤や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)を投与すると、約半数の子どもは3年くらいで治癒します。
 ただ、思春期、とくに中学から高校にかけて発病した場合、適切な治療が行われないと、そのまま大人まで持ち越し、15年後くらいには、約3割の人が慢性腎不全に移行します。
 回復がみられず、症状が長引くときは、腎生検(腎臓の組織の一部を切り出して精密検査をする)を行い、結果に応じて適切な治療をほどこします。
 生活面では、安静、保温、食事療法が必要になりますが、症状が軽くなるにつれて制限は緩和されます。入院か自宅療養かはケースバイケースです。

家庭でのケア


療養期間が長くなるので、子どものストレスをうまくコントロールしてあげることが大切です。
図「糸球体のしくみ」

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