出産時に起こりやすいトラブルと対処法(しゅっさんじにおこりやすいとらぶるとたいしょほう)

過期産


どんな状態 妊娠42週以降の出産。妊娠42週をすぎると胎盤機能が衰え、羊水量も減るため、胎児仮死、子宮内胎児死亡、新生児仮死の危険性が増す。
原因 原因は不明だが、出産予定日を正しくだせば、過期産は減ると考えられる。
対処法 妊娠42週以前に入院し、陣痛を誘発して分娩するのが一般的な方法。

微弱陣痛


どんな状態 赤ちゃんを生み出す陣痛が弱まって、お産がすすまなくなる。お産が長引けば母子ともに疲れ、胎児仮死になる可能性が高くなってくる。
原因 不明だが、早すぎる入院、多胎妊娠、太りすぎ、巨大児、子宮筋腫なども原因に。
対処法 状況により、眠って休む、陣痛促進剤を使う、帝王切開になる場合が。

過強陣痛


どんな状態 陣痛が異常に強い状態をいう。赤ちゃんが産道を急激に下りると、低酸素状態や頭蓋内出血を起こすおそれがあり、下りられないと子宮破裂の心配がでてくる。
原因 ほとんどは、陣痛促進剤の使いすぎで起こると考えられている。
対処法 母児を監視しながら陣痛促進剤を適量使うことにより、過強陣痛は防げる。

軟産道強靱


どんな状態 子宮口がかたくて、なかなか開かなかったり、腟がかたくて赤ちゃんが下りてこられない状態。難産になり、胎児仮死が起きやすくなる。
原因 軟産道は年齢とともにかたくなるといわれるので、高齢出産も要因の一つ。
対処法 子宮口をやわらくしたり開かせる薬を使う。胎児仮死の場合は帝王切開になる。

児頭骨盤不均衡


どんな状態 お母さんの骨盤の内径より赤ちゃんの頭のほうが大きい場合をいう。こうなると赤ちゃんは、産道を回旋しながら下りてくることができない。
原因 骨盤がせまい、太りすぎて産道に脂肪がついている、巨大児などが考えられる。
対処法 骨盤のレントゲン撮影をして、このケースと診断されたときは、帝王切開になる。

回旋異常


どんな状態 生まれてくるとき、赤ちゃんはあごを胸につけた姿勢をとり、産道を4回旋して下りてくるのが正常。それがうまく回旋できず、下りてこられない状態。
原因 なんらかの理由で、赤ちゃんのあごが上がってしまった場合などにみられる。
対処法 分娩時間が長引くときは吸引分娩を試みるが、効果がないときは帝王切開になる。

臍帯巻絡


どんな状態 へその緒が、胎児の肩や首に巻きついている状態。発育には影響ないが、分娩時に胎児が産道を下りるのがさまたげられて、出産時間がかかることもある。
原因 よくわかっていない。羊水の多い妊娠中期に巻きつくともいわれている。
対処法 多くは経腟分娩が可能。へその緒が短く危険な場合は、帝王切開の可能性もある。

会陰頸管裂傷


どんな状態 赤ちゃんが産道をすすむときに、子宮頸管の筋肉が伸びきれず切れる。裂傷は肛門や直腸までおよぶことがあり、ときに大出血する。
原因 急にお産がすすんだり、巨大児、高齢出産の人に起こりやすい。
対処法 会陰切開することが予防になる。できた裂傷は、赤ちゃんが生まれたあと、縫合する。

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