どんな病気?
下垂体から分泌されるホルモン(内分泌(ホルモン)・代謝の異常)の量が、下垂体前葉、または視床下部の障害によって低下してしまう病気です。
一つのホルモン分泌が低下する場合、二つ以上減る場合、すべて低下する場合がありますが、すべてが低下するのは、ごくまれにしか起こりません。
症状
どのホルモンの分泌が低下しているかによって、症状がちがいます。おもなものはつぎのとおりです。
●性腺ホルモンの低下
無月経になったり、性欲がなくなったりします。
●副腎皮質ホルモンの低下
全身がだるい、食欲不振、下痢、嘔吐、空腹時の眠気などがみられます。
●甲状腺ホルモンの低下
むくむ、寒がりになる、皮膚が乾燥する、髪の毛が抜ける、いつも眠い、動作が遅い、無感動などの症状が現れます。
原因
下垂体に腫瘍ができたり、炎症があると起こります。
また、分娩後の大出血でショック症状を起こした人が、回復後しばらくして発症することがあります。分娩のときの大量出血が原因となって、視床下部と下垂体をつないでいる門脈という血管が閉じてしまい、下垂体の組織が死んでしまうために起こる症状をシーハン症候群といいますが、最近ではまれです。
ほかに下垂体に対する自己抗体ができて、下垂体に炎症が起きる自己免疫性下垂体炎(リンパ球性下垂体炎)という病気でも起こります。この病気は、妊娠中や出産後の女性に起こりやすいといわれています。
治療
腫瘍がある場合は、手術で摘出したり、放射線療法を行います。それ以外の原因の場合は、不足しているホルモンを薬で補充します。
あなたへのひとこと
決められたホルモン剤をきちんと服用すれば、ふつうの生活が送れます。
副腎皮質ホルモンの低下をともなっている場合は、感染症にかかったり、ストレスがあると症状が悪くなるので、医師の指示で薬の量を調整する必要があります。
かぜなどに注意し、ストレスをためないこともたいせつです。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。