薬物性肝障害(やくぶつせいかんしょうがい)

どんな病気?


 内服した薬が原因で肝臓に障害を起こす病気で、二つのタイプがあります。一つは、薬自体に毒性があり肝臓が障害を起こす中毒型。これには抗生物質や解熱鎮痛剤、睡眠薬や抗がん剤、ホルモン製剤などの薬があげられますが、これらの薬を一定量以上服用すると、肝臓の解毒作用が追いつかず肝臓が障害を起こします。
 もう一つは、アレルギー型です。薬がからだに合わず、過敏反応が起こって肝臓が障害を起こすものです。アレルギー体質の人に起こりやすいタイプです。薬物性肝障害のほとんどはこのタイプです。この場合、どんな薬でも起こる可能性はありますが、頻度が多いのは抗生物質、解熱鎮痛剤、麻酔薬、心臓用薬剤などです。

症状


 多くは全身倦怠、食欲不振、吐き気、黄疸など急性肝炎のような症状がみられますが、自覚症状がまったくなく、たまたま受けた血液検査で発見されるケースもあります。アレルギー性の場合は、発熱、発疹、皮膚のかゆみ、黄疸などがおもな症状です。

治療


 原因となる薬を中止することで、ほとんどが3か月以内に改善します。しかしまれに、麻酔薬のハロタンやかぜ薬の成分に含まれているアセトアミノフェンなどによって、重症の肝障害(劇症肝炎)を引き起こすことがあります。その場合は、副腎皮質ホルモンなどが投与されます。

あなたへのひとこと


 アレルギーなどで薬物性肝障害を起こした人が、2回めに同じ薬を飲むと、さらに肝障害が強くでます。受診の際は自分の体質や過去の薬体験を医師に伝えることがたいせつ。どんな薬でも肝臓に負担がかかります。おかしいと思ったら、医師に相談しましょう。とくに妊娠中は市販薬でも、勝手に服用しないように。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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