絨毛がん(じゅうもうがん)

注意したい年代


20代、30代、40代。

どんな病気?


 妊娠すると、子宮内に胎児と母体を結びつける絨毛が形成されますが、この細胞が異常増殖してできるのが絨毛がんです。血流に乗ってがん細胞が転移しやすく、子宮に発生するがんのなかではもっとも悪性です。
 原因はよくわかっていませんが、大部分は、妊娠にともなって発症します。圧倒的に多いのは、異常妊娠でいわゆるぶどう子といわれる胞状奇胎(卵膜や胎盤をつくる絨毛が異常増殖して、子宮内に直径0.5mm~1cmの水泡状の粒が充満し、胎児を吸収してしまう病気。超音波検査で診断ができ、すぐ掻爬手術が行われます)のあとに起こるもので、ときに流産や正常分娩後にも起こります。

症状


 おもな症状は不正出血。胞状奇胎や流産、分娩後に出血がつづくときは、絨毛がんを疑う必要があります。
 肺に転移すると血痰、せき、胸痛などが現れ、脳に転移すれば頭痛、嘔吐などが起こります。腟や外陰部への転移では、かたいしこりを発見して、これが初症状ということもあります。

治療


 有効な抗がん剤(メソトレキセート、アクチノマイシンDなど)での治療が中心になります。その後必要に応じて、子宮の全摘手術を行います。
 5年生存率は、転移のないものは約90%、転移性のものは50%以下です。
 治療後は、再発を早期に発見するため、最低5年間は定期的に受診します。とくに、胞状奇胎の治療後の人は、再発がもっとも多い1年間は、かならず医師の指示に従って受診します。
 治療効果の判定や再発の早期発見には、β‐hCG測定(絨毛がんになると、絨毛性ゴナドトロピンというホルモン(hCG)が尿中に多量に排泄されます。この量を測定して診断や治療の指標にします)が有効です。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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