妊娠中は歯周病になりやすい!その理由は?
妊娠するとホルモンバランスが大きく変わるため、女性の体にはさまざまな変化が起こります。お口の中も妊娠前とは環境が変化し、歯のトラブルが起きやすくなります。妊娠中は次のような理由で、むし歯や歯周病のリスクが高まるので、普段以上に注意が必要です。
▼妊婦さんがむし歯・歯周病になりやすい原因
・つわりにより、食べ物の嗜好が変化する
・つわりにより、気分が悪く歯みがきが困難になる
・食事や間食回数が増える
・食事回数が増えることによって口の中の環境が悪化する
・女性ホルモンが急激に増加することで、歯周病原性細菌が増殖しやすくなる
歯周病の妊婦さんは早産や低体重児出産のリスクが高い
妊娠中に特に注意が必要なのが歯周病です。歯周病とは、歯の周囲の汚れ(プラーク)のなかに含まれる細菌によって、歯ぐき(歯肉)に炎症が起き、歯を支える骨が溶けていく病気です。歯周病の妊婦さんは、妊娠37週未満に出産する「早産」や、生まれる時の体重が2500g未満の「低体重児出産」を出産するリスクがあると指摘されています。
妊婦歯科検診はいつからいつまでに受診する?検診内容は?
このように妊娠中の女性にとって、歯周病はリスクが高い病気です。しかし、初期段階では自分自身で自覚できる症状はなかなか出てきません。そのため、妊婦さんは歯科検診を受けて、歯周病を予防することが大切なのです。
体調が安定しないなどの理由で、妊婦歯科検診をいつ受診するか悩む人もいるようですが、流産の危険性が下がり、つわりがおさまる妊娠4ヶ月〜5ヶ月頃に歯科検診を受ける人が多いようです。妊娠8ヶ月を過ぎて妊娠後期に入ると、陣痛がいつ来てもおかしくない状態になるため、それまでに受診しておきましょう。
受診する歯科医によって検診内容は異なりますが、歯肉のようすやむし歯の有無を確認するほか、正しい歯磨きのやり方をアドバイスしてもらうのが一般的です。もし、母子手帳公布の時などに市区町村から無料で受診できる妊婦歯科検診の受診票をもらった場合には、そちらで受診できる歯科医や受診期間・検診内容などを確認しましょう。
歯科検診でむし歯や歯周病が見つかった場合、妊娠中でも時期や治療内容によっては治療も可能です。比較的体調の安定した妊娠中期に必要な治療をすませておくのがオススメです。歯科医を受診する際は、妊娠中であることを忘れずに伝えてください。
参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)、テーマパーク8020(日本歯科医師会)
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この記事をご監修頂いた先生

小川隆介先生(後楽園デンタルオフィス 院長)
日本歯科大学卒業後、東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員を経て、東京都内で歯科医院の副院長を4年にわたり務める。2011年より、後楽園デンタルオフィス 院長として、治療だけでなく、予防やメンテナンス、コミュニケーションにも力を入れて活動中。多くの歯科医師と協力して知識や技術を身につけるなど、日々研鑽を積み重ね、幅広い悩みや症状に対応している