首・背中を強く打った(くびせなかをつよくうった)

 首や背中を強打すると、首や背中の中央をとおっている神経(脊髄)が傷つけられ、両手足のまひを起こすことがあります。すぐに救急車を呼びますが、以下はそんなときの注意です。

すぐにすること


・意識、また呼吸の状態を確認します。
図「首・背中を強く打った①」
名前を呼んだり、息がもれてくるかをみます。
 呼吸がなければ、救命処置をしながら救急車の到着を待ちます。
・意識があれば、手足が動くかどうかを確認します。
 手足を動かすことができても、痛みが強ければ注意が必要です。かってに起こしたり動かしたりしないで、救急車の到着を待ちます。
図「首・背中を強く打った②」
「手や足を動かせますか?」と聞いたり、つねってみて痛みを感じるかどうかを調べます。

手足がまひしたり、動かないとき、痛みがはげしいとき


 脊髄が損傷しているおそれがありますし、また骨折も考えられます。
 専門の訓練を受けている人、または救急車の到着までできるだけ動かさないことが大事です。
図「首・背中を強く打った③」
どうしても動かさなければいけない場合は、戸板などのしっかりした大きさの板が必要です。まっすぐにあお向けに寝かせ、首が動かないように注意します。

首に外傷を受けたとき


・まず、呼吸の状態を確認します。
図「首・背中を強く打った④」
意識があるか、呼吸していて鼻や口から空気がもれてきているかを観察します。そのとき、むりに顔や体を動かしたり、ゆすったりしてはいけません。
 傷の深さ、出血の程度が気になるでしょうが、最初に、意識、呼吸の状態をみます。静かに観察し、呼吸がなければ、救命処置をしながら救急車を待ちます。まず気道を確保(「呼吸の有無を見分ける」)し、人工呼吸(「人工呼吸を行う」)をします。反応がなければ心臓マッサージと人工呼吸を組み合わせます(「心臓マッサージ+人工呼吸」)。
・呼吸困難がなければ、出血を止める手当てをします。
 気管が損傷を受け、空気が傷の部位からもれていても、呼吸困難がなければ、止血の手当てを優先します。
図「首・背中を強く打った⑤」
止血は、息が苦しくならないように気をつけて行います。

動脈性の出血の場合


 血の色が真っ赤で、噴水のように吹き出します。損傷部より、心臓に近いほうを首の斜め前方から圧迫します。

静脈性の出血の場合


 血の色が赤黒く、じわじわと流れ出ます。損傷部よりも、頭に近いほうを圧迫します。

ここに注意!


★頸椎(ちょうど首筋あたりの骨)の損傷が疑われる場合、気道確保には注意が必要です。頭をそらせると、損傷をひどくするからです。

【頸椎損傷時の気道確保】


正しいやり方は、下あごだけをあげる下顎挙上法です。
図「首・背中を強く打った⑥」
あごを両手ではさんで、頸部が動かないように気をつけながら、下あごだけを持ち上げるようにします。
★首や背中に大きな損傷を受けた場合は、むやみに動かさないことが大事です。同時にやわらかいマットレスのようなものは、首や背筋が曲がるので厳禁。かたいものの上に寝かせます。

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