薬の心配(くすりのしんぱい)

影響のある時期

 ⇒ 赤ちゃんは妊娠4週(2か月)のはじめころに中枢神経がつくられはじめ、9~12週(3~4か月)にはほとんどの臓器の原形がつくられます。この時期を器官形成期といいますが、赤ちゃんの体の基本ができる期間だけに、もっとも薬の影響を受けやすい時期といえます。
図「胎児が催奇形因子(形態異常の原因になる因子)に敏感に反応する時期」
 胎児の器官は妊娠4~12週ごろまでに基本がつくられ、この時期に催奇形因子が入ると、胎児に影響がでる可能性があります。催奇形因子には薬物、ウイルスなどの感染、X線、その他がありますが、形態異常の種類や頻度は、因子の強さや受けた時期により異なります。
 胎盤が完成する妊娠13週(4か月)以降は、薬の影響を受けにくくなります。また、妊娠1か月以前に服用した薬は、ほとんど影響しません。

どんな影響?

 ⇒ 体や臓器の形態異常が発生しやすくなります。

影響のある薬

 ⇒ 問題なのは、赤ちゃんに形態異常を起こす可能性(催奇形性)のある成分を含んだ薬です。市販のかぜ薬や胃腸薬には、催奇形性のある成分は含まれていないと考えていいでしょう。規定量を1週間程度服用したくらいでは、ほとんど問題ありません。
 ただ市販薬でも「妊婦には投与しないことが望ましい」と注意書きのあるものは心配です。また病院の処方薬には、催奇形性のある成分が含まれている可能性もあるので、妊娠前に処方された薬や、夫や家族が病院からだされた薬を服用するのは危険です。
 軟膏や貼り薬などの外用薬は、まず心配ありません。

対応

 ⇒ 妊娠に気づかずに市販薬を飲んでしまった場合、多くは心配ないと考えられますが、念のため、主治医に飲んだ薬や量を伝えたほうが安心です。
 妊娠中に薬を服用するときは、事前に産科医に相談しましょう。ほかの科を受診して薬が必要なときも、かならず妊娠していることを伝えます。
 薬はなにもかも心配なのではありません。たとえば貧血(「貧血」)のように、薬を飲まないほうが問題の場合もあります。医師とよく相談して、より安全な方法をとることが大切です。

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