胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)

どんな病気?

生まれつき、または生まれてすぐ、肝臓でつくられた胆汁を腸に送る胆道が閉鎖されている形態異常です。頻度はまれですが、重篤な病気です。

症状


出生直後は元気ですが、生後1か月ごろには便の色が白色や灰色、クリーム色、黄色など、薄い色になってきます。ロタウイルス性の下痢でも白っぽい便になりますが、水様下痢となるこれとは異なり、胆道閉鎖症では、赤ちゃんの便としては固形分の多い、硬めのものになります。さらにすすむと肝臓障害から黄疸が起こります。ただし、生後2週間くらいまでの新生児には、生理的黄疸(「生理的黄疸」)がよくみられ、腸液も黄色のため、すぐには白い便にならないので、気づきにくいものです。少しでも便が白っぽいと気になったら、母子健康手帳についている1〜7番の便カラーカードと、赤ちゃんの便の色を見比べて、1〜3番に近い場合は、便を持って病院へいきましょう。
 胆道が閉鎖されているため、胆汁がでないので体重がふえにくくなり、最後は肝硬変におちいります。また、本来胆汁によって消化され、腸から吸収されるビタミンKが摂取できません。ビタミンKは(血液を固めるたんぱく質を作るために必要なビタミンで)、不足すると血が固まりにくくなり、その結果、脳内出血や消化管出血を起こす危険が高まります。脳内出血を起こしたことで、胆道閉鎖症が発覚するケースも少なくありません。

治療


胆道に胆汁がたまるタイプのものだと、超音波検査ですぐ診断されます。ただし、乳児肝炎の場合もあるので、最終的には、直接肝臓の組織を取り出して調べる肝生検で判断します。
 胆道の閉鎖箇所が腸に近い場合は、手術が比較的簡単で予後は良好です。肝臓内で閉鎖している場合は手術がむずかしく、最終的には肝臓移植しか治療法がありません(「胆道閉鎖症(消化器)」)。
図「胆道閉鎖症」

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