妊娠初期(~4か月)にいちばん気をつけたいのは流産です。出血、下腹部の痛みや張り、腰が痛むなどの症状があります。痛みも張りもなく、性交で出血したというときは、子宮頸管ポリープや腟部びらん、ごくまれに子宮頸がん(子宮がん)の可能性があります。
からだを休めてもおなかの張りがおさまらず、出血があるときは、すぐに病院にいってください。
からだを休めてもおなかの張りがおさまらず、出血があるときは、すぐに病院にいってください。
切迫流産・流産
妊娠22週(6か月)未満に、胎児が死亡してしまうことを流産といい、つぎのように分けられます。
●切迫流産
流産の兆しはありますが、まだ止められ、妊娠を継続できる希望がもてる状態です。
●進行流産
子宮頸管が開くなどして、流産が止められない状態。ほうっておくと大量に出血することがあります。
●完全流産
胎児や胎盤が、完全に母体から出てしまう状態。出血や下腹部、腰の痛みがあるのは、いっときです。
●不全流産
子宮の中に胎児・胎盤の一部が残っている状態。子宮が収縮する痛みがあり、出血も多くあります。
●稽留流産
死亡した胎児が子宮の中にとどまっている状態。出血、おなかの痛みなどの自覚症状はありません。
原因
約半々の割合で、胎児側と母体側に原因があります。現在は、妊婦さんが無理をしたことが流産の原因になるとは考えられていません。
●胎児側の原因
染色体異常や遺伝病、胎盤発育不全など。
●母体側の原因
子宮筋腫、子宮形態異常(子宮の形態異常)、子宮頸管無力症、黄体機能不全、性感染症など。
もし3回以上、流産をくり返すようなら、原因を調べてもらいましょう。
治療
流産した場合、掻爬をして子宮の中のものを出し、子宮内をきれいにします。切迫流産の場合は、症状により、入院または自宅で安静にします。
あなたへのひとこと
流産後1週間、また切迫流産の場合も、1週間程度の安静が基本です。安静を指示されたら運動やセックスは禁止。料理などの簡単な家事はしてもかまいませんが、できるだけ家族に頼みましょう。おなかに力を入れないことがたいせつです。
子宮外妊娠
受精卵が、子宮以外の場所に着床してしまう妊娠の異常です。尿検査での妊娠反応は陽性ですが、超音波で調べても子宮内にはなにも見えません。そのため、完全流産とまちがえられることもあります。
症状
人によって症状が異なり、症状がでない人もいます。卵管に着床した場合、妊娠5~6週のころ少量の出血があり、下腹部が痛むことがあります。ほうっておくと卵管が破裂し、大量に出血して激痛を起こします。場合によっては生命の危険もあります。異常を感じたら至急、病院へ。
原因
卵管に着床する場合は、卵管が細い、つまっている、卵管の蠕動運動が弱いなどが原因で、受精卵が卵管を通過できないと考えられます。
治療
(1) 開腹手術や腹腔鏡を使って卵管を切除する、(2) 卵管は残したまま受精卵を取り出す、(3) 抗がん剤を用いて受精卵を取る、などがあります。
妊娠初期のトラブルと対処法についてもっと知る
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。