どんな病気?
食道の内面をおおっている粘膜は扁平上皮といって、皮膚をおおっている組織とほとんど同じ形になっています。
食道にできるがんは、多くが扁平上皮がんで、できやすいのは食べ物の刺激を受けやすい中央部と下部です。
喫煙する人、毎日お酒を飲む人、また辛い味の刺激物、熱い食事やお茶などを好む人など、食道をよく刺激する人に多いといわれています。
食道がんは、早期のうちに発見されれば、ほとんどが完全に治癒します。早期発見には、年に1~2回の定期検診が不可欠で、とくに喫煙や飲酒などハイリスクのある人は、定期的な検診を受けることが大事です。
原因
はっきりした原因はわかっていませんが、タバコやアルコールが誘因になることは確かなようです。実際、タバコを1日70~80本以上吸う人、ウォッカのような強いアルコールを浴びるように飲む人に多くみられます。
発がん物質の刺激がつづくと、食道に炎症が起きます。すると、組織が増殖してその炎症を治そうとします。発がん物質の刺激がさらにつづくと、治ってもまた炎症が起きるというくり返しになり、そこから悪い細胞がでてきて、がんが発生します。
症状
がんのために食道の内腔がせまくなって起こる症状が大部分ですが、食道壁はかなり伸びるので、がんが食道壁の4分の3から全周におよばないと、内腔がせまくなることによる自覚症状は、はっきりとでてきません。
早期では、半数以上に症状はみられず、症状がでる場合は、食事をしたときのつかえ感より、食道のしみる感じ、不快感、違和感などが多いようです。進行すると、食べ物を飲み込むときに痛みを感じたり、つかえ感などを覚えます。食道がしみる感じや胸がやける感じの症状もみられます。
食べ物のつかえ感は、とくに急いで食べたときや、よくかまないで食べたときにでやすいものです。ゆっくりよくかんで食べれば、つかえなくなるので、治ったと思って発見が遅れることもあります。
検査と診断
X線撮影、食道内視鏡検査などを行います。
治療
手術、放射線治療、化学療法がおもな治療法です。このほかに、温熱療法、免疫療法などもあり、いくつかの治療法を組み合わせて行います。手術では、食道の残っている部分と胃の上部をつり上げてつなげたり、結腸を使って食道と胃を連結するなどの代用食道をつくる処置を行います。
あなたへのひとこと
食道がんの治療法は進歩していますが、そのため病院によって治療法や手術の方法が一定していません。確かな知識と経験豊富な医師のいる病院を選びましょう。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。