関節リウマチ(かんせつりうまち)

どんな病気?


 関節に炎症が起こり、腫れて痛みます。進行すると関節が変形し、動きが悪くなります。左右対称性におかされるのが特徴で、ほとんど全身の関節におよびます。
 女性の患者は男性の3~4倍で、30~50歳代が発症しやすい年齢です。出産後や更年期前後に発病することもあります。

症状


 「朝の手のこわばり」が現れます。これは「目覚めたとき手がはれぼったく、指を曲げにくい状態」です。初期からみられる症状です。
 典型的な場合には、はじめに手の指の小さな関節や手首、足の指のつけ根が痛みだし、しだいに腫れをともなうようになります。さらに、肘や膝などの大きな関節に病変がおよんだり、微熱や全身のだるさ、体重減少などの全身症状がでることもあります。
 肺や心臓、腎臓、肝臓、神経、目、皮膚など、関節以外にも症状がでることがあります。
 とくに間質性肺炎(間質性肺炎とは?)や肺胞の壁が厚くかたくなり、低酸素血症などの呼吸障害をきたす病気である肺線維症は非常に重い症状なので、空せきや息切れなどが起きるようなときは注意が必要です。
 皮膚には、この病気特有のリウマトイド結節ができることがあります。皮下にできるこぶ状のかたまりで、圧迫される部分にできやすく、さわると痛いこともあります。

原因


 不明ですが、遺伝的な要因のほかにウイルス感染、女性ホルモンなどの影響が考えられています。

治療


 薬物療法が中心で、ときに手術も行われます。薬物療法には、非ステロイド系抗炎症剤、抗リウマチ剤、ステロイド剤が使われます。抗リウマチ剤の効果には個人差があり、また効いてくるまでに2~3か月かかることもあります。
 これらの薬には副作用もあります。症状の程度や薬の効果、副作用があるかどうかなどをみるため、2週間~1か月ごとに、血液や尿検査が必要です。
 手術は、関節が破壊されたために痛みが強かったり、運動障害があるときなどに行われます。関節炎の場所や状態により、(1)滑膜切除術(増殖した滑膜を切り取る)、(2)腱形成術(断裂した腱を縫い合わせたり移植する)、(3)関節形成術(人工関節にしたり、関節を固定する)などがあります。
 手術は受ける時期を逸しないことがたいせつです。

あなたへのひとこと


 日常生活では、つぎのことを注意します。
 (1)炎症の強い関節はなるべく安静にする。(2)関節の動かせる範囲を広げ、筋肉を保つために、医師の指導にもとづいたリハビリを行う。(3)食事はバランスよくとり、適正な体重を保つ。(4)手洗いやうがい、からだの保温を心がけ、かぜなどの感染症を予防する。
 手の指や足の指の変形を防ぐために、装具や専用の靴が用いられることもあります。また、頸椎が不安定になった場合は、外出時につける頸椎カラーが役に立ちます。
 関節が変形したために、身のまわりの動作が不自由になった場合は、レバー式の水道栓や、長柄つきのブラシなど、さまざまな自助具が販売されているので、活用するのもいいでしょう。
 ただ、早い時期から自助具の助けを借りてしまうと、逆に関節の機能低下を早めることがあるので、使うときは注意が必要です。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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