慢性甲状腺炎(橋本病)(まんせいこうじょうせんえんはしもとびょう)

どんな病気?


 甲状腺に慢性の炎症が起こります。患者さんの90%は女性ともいわれます。多くは甲状腺のはたらきが正常ですが、甲状腺機能低下症になる人もいます。思春期すぎから閉経後まで幅広い年代にみられますが、60%以上は30~50歳までの人です。更年期障害とまちがわれることもあります。

症状


 甲状腺がかたく腫れて、さわるとでこぼこした感じがします。体温が低くなる、皮膚がカサカサになる、脈拍数が減るなどの症状もみられます。さらに甲状腺ホルモンの分泌が減ると、寒がり、便秘、声がしわがれる、ゆっくりした話し方になります。うつ病とまちがえられることもあります。
 それ以上に甲状腺の機能低下がすすむと顔がむくんだり、月経の異常(月経不順、無月経、月経過多過多月経)が現れます。コレステロール値が上がり、肝臓の酵素の値も上がるので、肝炎とまちがえられることもあります。
 これらの症状は、1~10年くらいかけてゆっくり現れるので、気づかないことがよくあります。早めに治療すればひどくはならないので、気になる症状が重なったときは受診しましょう。

原因


 免疫反応に重要な役割をする白血球の中のリンパ球が自己抗体をつくり、甲状腺を破壊する自己免疫疾患(免疫の異常)で、自己免疫性甲状腺炎ともいわれます。なぜ発病するかは不明ですが、体質の遺伝も考えられています。

治療


 甲状腺ホルモンの分泌が低下していなければ治療の必要がなく、ふつうの生活が送れます。症状がでたときは、薬の内服で甲状腺ホルモンを補えば症状は改善します。

あなたへのひとこと


 出産後、一時的に甲状腺の機能異常(低下または亢進)がすすむことが。妊娠がわかったら甲状腺の専門医に相談しましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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