子宮頸がんの進行状態と治療法(しきゅうけいがんのしんこうじょうたいとちりょうほう)

●0期


進行段階



 非常に初期のがんで、がんが上皮だけにとどまっている状態。上皮内がんと呼ばれ、転移の可能性はない。

おもな自覚症状


 まったくない。ごくまれに、性交後に出血がみられることがある。

治療法


・子宮全摘術(単純子宮全摘術)が原則。若い人や妊娠を希望する人には、レーザー光線で患部を焼いたり(レーザー療法)、子宮頸部を円錐状に切り取る手術(円錐切除術)を行う。
・5年生存率→子宮全摘術を行えば、ほぼ100%。レーザー療法や円錐切除術では、再発率は約5%程度。

I


進行段階



 がんが上皮を破って、その下の組織に浸潤(しみ込んで広がる)しはじめているが、まだ、子宮頸部内だけにとどまって、周囲には広がっていない状態。浸潤の浅い(3mm以内の)Ia期と、深いIb期に分類される。Ia期までが初期がん。

おもな自覚症状


 ピンクや茶褐色のおりものがふえる。性交後に出血がある。

治療法


Ia期では、子宮全摘術(単純子宮全摘術または準広汎子宮全摘術)が基本。
Ia期では状態によって円錐切除術を行うこともある。
Ib期では広汎子宮全摘術とリンパ節郭清術を行う。卵巣は取る必要はない。
・放射線療法でも、よく治癒する。
・5年生存率→95%(Ia期では、ほぼ100%)。

II


進行段階



 がんが子宮頸部を越えて周囲組織に浸潤しだした状態。しかし骨盤壁や腟壁の下3分の1には達していない。

おもな自覚症状


 I期と同じ(ピンクや茶褐色のおりものがふえる。性交後に出血がある)。

治療法


・子宮を全摘し、周囲の組織やリンパ節、腟を切除(広汎子宮全摘術とリンパ節郭清術を同時に行う)。放射線治療でも、治癒率は手術と同じ。
・5年生存率→76%。

III


進行段階



 がんが、子宮外口に進展し、骨盤壁まで達したもの。または、腟壁の下3分の1まで浸潤している状態。

おもな自覚症状


 骨盤底を走る神経が、がんに圧迫されるため、腰痛や足の痛みが現れる。
 がんが、尿管に浸潤すると、尿毒症(腎機能が極端に低下し、尿中に排出されなければならない老廃物がからだの中にたまった状態)を合併することもある。

治療法


・手術は不可能。放射線や抗がん剤による、治療を組み合わせる。
・5年生存率→50%。

IV


進行段階



 がんが、膀胱や直腸に浸潤したり、肺や肝臓、骨などに転移している状態。

おもな自覚症状


 血尿や血便が出る。排尿痛や、便が出にくい便通異常が起こる。

治療法


・治癒するのは困難。延命効果を目的とする治療を行う。
・手術は不可能。局所に放射線治療を用いながら、全身的には抗がん剤を使用する。
・5年生存率→29%。
◆5年生存率=がんの治療後5年をへて、生存している割合を示します。
◆治療法についての詳しい説明は、子宮がんの「子宮頸がんと子宮体がんの治療法」を参照してください。

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