ベビカムニュースベビカムニュース

検索
ベビカムトップ
>
ニュース
> 水害に備えた「水防活動」が重要!防災グッズ&注意点もチェック

水害に備えた「水防活動」が重要!防災グッズ&注意点もチェック

地形的特性と気象的特性との相乗作用により、水害が多発する日本。特に梅雨と台風シーズンは水害が起こりやすい時期です。自宅でできる「水防活動」や準備すべき防災グッズ、避難の際の注意点をチェックしておきましょう。

2019-10-10更新

水防活動

多発する水害…特に警戒すべきは梅雨&台風!

「水害」とは、河川の氾濫や洪水、高潮・津波などが要因となり引き起こされる、水による災害の事。日本では、台風や集中豪雨などの大雨によって毎年のように水害が発生し、多くの人の命が奪われています。

国土交通省の発表したデータによると、平成18年から27年までの10年間に全国にある1,741市町村の97.2%にあたる1,692市区町村で1回以上の水害が発生したそう。さらに、そのうちの半数近い830市区町村では、10年で10回以上の水害が発生しています。

水害による被害を減らす「水防活動」とは?

こうした水害による被害を未然に防ぐことを「水防」と呼びます。洪水の恐れがある時に土のうを積む、地域住民に注意を呼びかけ避難を促すなど、水害による人命や財産への被害を防止・軽減することが水防活動にあたります。

水防活動の元になっているのは「自分の安全は自分で守り、地域の安全は地域で守る」という自助・共助の精神です。国や地方自治体など行政も河川改修や治水施設の整備など、さまざまな取組(公助)を行っていますが、対策には長い年月が必要となるため、頻繁に発生する水害の被害を最小限に抑えるためには、個人や地域による水防活動が欠かせません

行政による「公助」、個人による「自助」、地域コミュニティによる「共助」の3つの取り組みをうまく連携させることが、水害対策の重要なポイントです。

公助:地域の安全を守る「水防団」

日本では「洪水、雨水出水、津波又は高潮などに際して、水災を警戒、防御し、被害を軽減して、公共の安全を保持することを目的」として「水防法」が制定されています。水防法では、水防に関する責任は市町村などの地方自治体にあるとされ、「水防管理団体」が水防活動を統括することや「水防団」を設置できることが明記されています。

水防団は水害から地域を守るために水防活動をする組織で、地域住民によって構成されます(消防団が水防活動を行っている地域もあります)。水防団員は普段から土のうの積み方や、堤防の補修方法などの「水防工法」を学び、水害時に速やかに実施できるように努めます。

自助:家庭で取り組む水防活動

災害時は「自分の身を自分で守る」が基本。水害についても、各家庭で日頃から準備しておくことが大切です。

家庭で取り組む水防活動のポイントは以下の3つです。

1.「水害ハザードマップ」で自宅周辺の水害リスクを確認する
2.避難場所・経路を確認する
3.防災グッズを準備する

まず大切なのは、自宅周辺にどのような水害のリスクがあるかを知ること。自治体が提供する「水害ハザードマップ」には、想定される最大規模の降雨や高潮による浸水範囲・深さ、避難所などの情報が地図上に記載されています。これらの情報を踏まえて、どのような備えが必要かを具体的に考えていきます。

災害時に安全に避難するためには、避難場所・経路・方法を事前に確認しておくことが重要です。水害の場合、避難経路の途中に氾濫しそうな河川がないか、浸水する可能性がある場所がないかなどをチェックすることが大切です。避難経路を決めたら実際に歩いてみて、危険な場所がないかを確認しましょう。

これとあわせて、避難が必要になった時にすぐ持ち出せるよう、防災グッズをリュックにまとめておきます。荷物はビニール袋やチャック付きポリ袋に小分けにして入れておくと、水濡れを防げます。乳幼児がいる場合は、ミルク・哺乳びん・紙おむつも忘れず準備しましょう。ミルクは、哺乳びんに入れてそのまま飲める液体ミルクがおすすめです。

▼防災グッズの例(参考:気象庁「大雨や台風に備えて」パンフレット)
・食料品: 飲料水、乾パンやクラッカー、レトルト食品、缶詰など
・衣類:下着、タオル、寝袋、雨具など
・日用品:懐中電灯、ラジオ、電池、使い捨てカイロ、ティッシュなど
・医薬品:救急医薬品、常備薬、マスク、生理用品など
・貴重品:現金、預金通帳、印鑑、健康保険証、身分証明書など
・その他:防災頭巾やヘルメット、軍手、ロープなど

また、家族が離れて避難しなければならない場合に備えて、お互いの安否を確認する方法を決めておくことも大切です。いざという時に備えて、「災害用伝言サービス」の利用方法も確認しておきましょう。

水害時の避難の注意点をチェック!

大雨に洪水や河川の氾濫など、水害ではあっという間に水量が増加するため、避難の判断が遅れると命に関わることも…。特に高齢者や乳幼児がいる家庭では、早めの避難が何よりも大切です。

水害の恐れがある時の注意点は以下の通りです。

1.テレビやラジオなどの気象情報や河川情報に注意する
2.避難勧告が発令されたら早めに避難
3.避難行動は浸水前に(浸水後は無理せず建物の2階以上へ)
4.近所にも声をかけて集団で行動する
5.車での避難は避ける
6.川や橋、用水路の近くには近寄らない

大雨や台風などが接近しているときは、気象情報や河川の水位などの情報などに注意します。避難が必要だと判断された場合、市町村から避難勧告・避難指示が発令されます。避難勧告が発令されたり、発令前でも危険が高まっていたりする場合は、ためらわず避難します。

水害の場合、避難場所への移動は浸水が始まる前に行うことが基本です。すでに浸水が始まって移動が危険な場合は、自宅など建物の2階以上に避難します。ふたの外れたマンホールや側溝などに落ちる可能性があるため、水深が浅くても冠水した道路を歩くことは避けてください。やむを得ず水の中を移動するときは、棒などで足下を確認しながら進みましょう。

避難には長靴よりも動きやすいひも付きの運動靴が適しています。避難する際は近所に呼びかけて、お年寄りや子ども、病気の人などの避難に協力します。避難中に何かあった時のためにも、2人以上での行動が基本。自動車は水に浸かると動かなくなったり、水圧で扉が開かなくなったりして危険なので、車での避難は基本的に避けましょう

まだしばらくは台風シーズンが続きます。水害の被害を最小限に食い止めるために、対策に関する知識を身につけ、日頃から「水防」を心がけましょう。

合わせて読みたい
■政府広報オンライン
河川の氾濫や高潮など、水害からあなたの地域を守る、「水防」
■気象庁
「大雨や台風に備えて」パンフレット(PDF)
■ベビカムニュース
台風シーズンは防災情報に要注意!「警戒レベル4」で全員避難を
powerd by babycome