「あむあむ、もぐもぐ、ごっくん」練習中〜♪
「なんで食べてくれないの〜?」泣きたくなるママも多い離乳食期。「実は、育児書や各市町村の子育て支援センターで示された目安通りに進まない人の方が多いんですよ」と話すのは、管理栄養士で離乳食幼児食コーディネーターの井上茉子さん。先日、ベビカムの無料オンライン番組で、離乳食の進め方についてのアドバイスをくれました。
まず、なぜ離乳食を嫌がる子が多いのか。
赤ちゃんのお口の構造に理由があるようです。
★離乳食初期(5〜6ヵ月)舌が前後にしか動かないので、やっと「ごっくん」ができる程度。食事はペースト状やドロドロ状に。
★離乳食中期(7〜8ヵ月)舌は上下にも動くようになる。スプーンで「あむ」ができる。上の歯茎と舌で粒状の食べ物をつぶすことができるようになる。食事は細かく刻んだものに。
★離乳食後期(9〜11ヵ月)舌が左右にも動くようになる。片側のほっぺを膨らませたり、奥の歯茎で食べ物をつぶしたりができるようになる。
★完了期(1歳〜)つかみ食べOK。自分の口にどれだけの量が入るのかなど、経験を積んでいく。
「離乳食は、大人の食事とは違い、食べる練習をしているのだと考えてください」と井上さん。近い未来、口から栄養を摂るため、「もぐもぐ、ごっくん」と毎日舌を動かし、味や食感の経験をたくさん積んでいっているんですって。だから、最初からできなくて当たり前。「上記の時期はあくまでも目安で、個人差があります。8ヵ月くらいまでは、栄養の半分以上を母乳やミルクから摂っているので、焦らずに、口の動きをよく見て、できたら次のステップへ進みましょう」。
視聴者からの質問にも答えてくれました。
Q:離乳食2ヵ月目。2回食。食べてくれないことが多く、食べる時間のリズムも定まらなくて困っています。
A:2回だと、午前中と夜がベターですが、きちんと時間を決めるよりも、子どもが落ち着いている時にあげた方が良いです。食材をひとつひとつ試してみて、食べ慣れてきたら、別の食材へと少しずつ変えてみてください。口がちゃんと動いているようなら次のステップへ。
Q:1歳5ヵ月。近々断乳予定。体重が軽い。
A:断乳の後は、1度の食事で量を食べられないなら、午前10時と午後3時におやつをあげてみては。お菓子ではなくて、おにぎりやパン、果物、ヨーグルトなど少しでも栄養を摂れるものがおすすめです。
Q:1歳2ヵ月。丸呑みが気になります。
A:イチョウ切りなどは、上の歯茎にくっつくことが多く、「もぐもぐ」しづらいんです。「あむ→もぐもぐ→ごっくん」を連動させるとスムーズにいくので、「あむ」を引き出すために、例えば、さつまいもを1㎝くらいの厚みで輪切りにしたものを手づかみさせるといいかも。意外にも、口より大きいものの方がよかったりするんです。
赤ちゃんのお口の構造のお話など、離乳食が進まない理由に納得がいくと、少しホッとしませんか。成長の過程だと思えば、おおらかな気持ちで離乳食と向き合えそうですね。

管理栄養士・離乳食幼児食コーディネーター。これまで2000人を超えるママたちの子どもの食に関するお悩み相談を受ける。「不安や疑問を抱えながらがんばるママたちに寄り添う身近な専門家でありたい」をモットーに、離乳食教室の開催や子ども向け料理教室等の講師として活動中。
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