回数や間隔のほか、かたさにも注意
排便は個人差がありますが、いつもより間隔があいたり、便がかたくて排便時に不快感をともなうのが便秘です。
排便の回数が、2日に1回のペースでも、スムーズに排便でき、なんの苦痛もないのなら、心配することはありません。逆に、毎日便通があっても、便がかたくて排便に苦労するなら、便秘と考えられます。
一般的に、排便のリズムがほぼととのってくる学童期の子どもなら、3~4日排便がない、またはウサギのふんのようにコロコロした便で、排便するのが困難だったり、肛門が痛むようなときは治療が必要です。
乳児期には生理的に起こることも
図「無題」
乳児期の便秘の原因として、まず考えられるのは、母乳やミルク不足です。排便の回数が減り、体重のふえ方が悪く、1回の授乳時間が極端に長くかかるときは、主治医に相談を。
生後2~3か月ごろになると、一時的に便の回数が減ることがあります。便のかたさに変化はなく、母乳やミルクの飲む量もいままでどおりで、きげんもいいのが特徴です。生理的なものなのでしばらくようすをみます。
また、離乳食をよく食べ、ミルクや母乳の量が減り、水分不足から便がかたくなる子もいます。
なお、赤ちゃんや幼児は、おなかが大きくふくらんでいます。腹痛や便秘といった症状がなく、元気なら生理的なものです。成長するにつれ、徐々に大人の体型に近づいてきます。
幼児期以降は偏食や運動不足
1歳をすぎてほぼ離乳食が完了したあとに起こる便秘のおもな原因は、偏食や食生活の乱れです。繊維質の多い食品を含んだバランスのよいメニューを、できるだけ規則正しく食べ、排便のリズムをくずさないことが大切です。
さらに、食生活とともに重要なのが運動です。運動することで腸の動きが刺激されます。
また、トイレトレーニングのつまずきが便秘の原因になることもあります。排便の兆候があったときに、騒ぎ立ててトイレに連れていこうとしたり、何度も「うんちは?」などと聞いてプレッシャーをかけないようにしましょう。
排便のがまんが便秘の要因に
最近になって、学校でトイレにいくことをがまんした結果、便秘になるケースがふえてきています。学童期には、ほぼ排便のリズムができあがるので、生活のリズムをととのえ、学校にいく前に排便の時間がとれるよう早めに起き、きちんと朝食を食べましょう。
また、小学校高学年のころから、ダイエットのために食事の量を減らし、その結果、便秘になる子もいます。
受診する
先天的な異常がある
生まれつき腸の形状や機能に異常があるために便秘することがあります。これらは生まれてすぐに気づいたり、新生児のマススクリーニング検査で発見されるので、主治医の指示にしたがいます。
乳児で1週間以上の便秘が何度も起こるときは、なんらかの先天的な異常が疑われます。念のため受診します。
排便に不快感を訴える
おなかがはって苦しそうだったり、排便をいやがって泣くときは、主治医に相談を。浣腸や下剤などの薬剤は、かならず医師の指示のもとで使います。
治療としては、緩下剤や整腸剤などとあわせて、食生活の改善や生活リズムの見直しが必要なことも多く、本人、家族、医師の協力が求められます。
肛門から出血したとき
便がかたいと肛門が切れたり、痔(「切れ痔」)になったりします。痛みが強く、さらに排便をがまんするという悪循環におちいりがちです。早めに受診を。
医師に伝えたいこと
ふだんの排便の回数やかたさ
いつからふだんとちがうか
便秘の状態(回数やかたさ)
きげんや食欲はどうか
ほかの症状があるか
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