病院にいくまで
①熱をはかります
子どもに熱がありそうなときには、まず体温をはかって確認します。
赤ちゃんや幼児は、つぎのようなようすがみられるときに、発熱していることが多いものです。
〈赤ちゃんの場合〉
・おっぱいを飲もうとして、乳房にふれた赤ちゃんの口が熱いとき。人工栄養の赤ちゃんは、ミルクをあまり飲みたがらなくなったとき。
・グズグズと泣いてふきげん。
・おむつ替えのときなどに、赤ちゃんの肌がいつもより熱く感じるとき。
〈幼児の場合〉
・いつもとくらべて元気がなく、だるそうにしている。
・自分からふとんにもぐり込んだり、食事時間になっても、食べたがらない。
②熱をはかるときの注意
体温は一般に午後になると少し高めになるほか、大泣きをしたあとや運動後、食事のあとも上がります。また赤ちゃんは、厚着や暖房などの影響でもすぐに体温が上がってしまいます。
へんだなと思ったら、環境や状況をチェックして、しばらくしてはかり直してみましょう。
いつ、何度くらいあったかは、医師が診断をするうえで、大切な情報になります。忘れずにメモをして、受診のときに伝えてください。
③全身状態や、ほかに症状がでていないかをチェック
高熱がでると、それだけであわててしまいますが、熱の高さと病気の重さはかならずしも一致しません。
突発性発疹のように、心配のない病気でも40度近い熱がでることもあれば、反対に熱がでなくても、重い病気の場合もあります。
まずは子どもの全身状態をよくみて(「全身状態チェックポイント」)、下痢や嘔吐など、発熱以外の症状があるかどうかも、チェックしてください。
ぐったりしていたり、呼吸のしかたがおかしいなど、全身状態に心配なようすがみられるときは、熱のあるなしにかかわらず、夜中でもすぐに病院へ。
また、3か月未満の赤ちゃんが38度以上の熱をだした場合は、多少きげんがよくても、ただちに受診が必要です。
④かってに解熱剤を使わないで
解熱剤は、一時的に熱を下げる薬で、病気そのものを治す薬ではありません。自己判断で市販の解熱剤を使わないことです。まず小児科を受診して、熱の原因を見つけることが先決です。
病院にいくとき
①熱の上がりぎわは暖かく、熱が上がりきったら薄着にさせて病院へ
熱の上がりぎわは、悪寒がします。寒がってふるえているようなら、衣服を多めに着せたり、毛布で全身をくるむなど、暖かくして病院に向かいます。
ただし、悪寒がするのは30分程度です。熱が上がりきって暑がっていたら、衣服を減らして涼しくさせることが大切です。着せすぎは、体の中に熱をこもらせてしまうので注意しましょう。

熱ができって、顔や手足が熱くなっていたら、熱がこもらないように、衣服を1枚脱がせて薄着にさせます。
②赤ちゃん・幼児の場合は、替えの衣服やおむつなども持参して
発熱のいちばんの原因は、かぜなど、ウイルス感染によって起こる病気です。これらの病気は、嘔吐や下痢の症状がでることも多いので、着替えや替えのおむつを持参していくと安心です。
病院から帰ったら
①家庭でのケアでは、熱を下げることより、快適な環境づくりを
高熱が続くと、脳に障害を残すのではと心配になりますが、熱そのものが原因で、脳やその他に障害を残すことはありません。また、病気による発熱は、防御反応として起こるもので、病気を治そうとする力とも考えられます。
家庭でのケアは、熱を下げることだけに気をとられず、高熱にともなう、つらい症状をやわらげる環境づくりに心を配ってください。
②薬は、指示どおりに飲ませます
とくに解熱剤は、むやみに使わないようにしましょう。必要以上に多く解熱剤を使って熱を下げすぎたために、ショック状態になることもあります。使うときは医師の指示にしたがうこと。
また、「食後」に服用の薬のなかには、食事ができなくても服用したほうがよいものが多いので、医師に確認を。
③部屋の温度・湿度に気を配ります
室温は、熱ができっているようなら上げる必要はありません。大人がちょうどよい室温でだいじょうぶです。
空気が乾燥しやすい冬は、加湿器などを利用して、部屋の湿度を60%くらいに保ちましょう。また、部屋の換気も忘れずに。1日に数回は窓をあけて、新鮮な空気を取り入れてください。
④衣服やふとんでも、体温調節を
厚着などで汗をかかせて熱を下げようとするのは逆効果。かえって熱がこもって、体温が下がりにくくなります。
悪寒がしてふるえているときは別ですが、高熱がでて暑がっているときには、体温を放散させるために、薄着にさせたり、ふとんの枚数を減らします。
⑤お湯で絞ったタオルで体をふいて
汗をかいたら、熱めのお湯を用意し、タオルをかたく絞って適温にし、手早く体をふいて着替えさせます。体が清潔になるだけでなく、気化熱により体温を1度くらい下げる効果もあります。
また、39度以上の高熱時には、氷を入れたビニール袋をタオルに包んで、わきの下やもものつけ根など、動脈のとおっている部分にあてて冷やすのも1つの方法です。ただし赤ちゃんや幼児は体温が下がりやすいので、注意しながら冷やします。

氷をビニール袋に入れて、タオルでくるみ、動脈のとおっている首のつけ根、わきの下、もものつけ根に5〜10分程度あてます。
⑥水まくらや冷却シートは、無理にあてなくても
水まくらや冷却シートは、本人が気持ちよさそうにしているならあててもかまいませんが、解熱効果についてはあまり期待できません。
⑦水分の補給は十分に
熱があると呼吸が速くなり、呼吸によって失われる水分も多いのです。脱水症状を起こさないように、水分はほしがるだけ十分に与えてください。
⑧1日1回は坐浴をさせます
汗をかくとおむつかぶれをしやすくなります。熱があるときでも、1日1回坐浴をして、おしりを清潔に。坐浴のあとは水気をよくふきとり、おしりを十分に乾かしてから、新しいおむつをあててください。

赤ちゃんはおむつかぶれに注意。座浴でおしりを清潔にし、乾かしてから新しいおむつをあてます。
⑨熱が下がって元気なら、シャワーや軽い入浴も
入浴やシャワーは、熱が37度台まで下がって、本人も元気なら問題はありません。長湯は体力を消耗するので、さっと汗を流す程度に。入浴の判断がつかないときは医師に相談します。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。