甲状腺機能亢進症(バセドウ病)(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

どんな病気?


甲状腺のはたらきが活発になりすぎて、血液中の甲状腺ホルモンが過剰になります。眼球が突出するなどが特徴のバセドウ病が代表的です。

症状


以下の3つが、代表的な症状です。①甲状腺がはれて大きくなり(甲状腺腫)、首が太くなったようにみえる。②脈が速くなって脈拍数が1分間に120くらいになり(頻脈)、安静にしていても動悸を感じる。③約半数の人に眼球突出がみられる、などです。
 そのほか汗をかきやすい、手指がふるえる、体がだるい、食欲は旺盛なのにやせる、下痢が続く、精神が不安定になる、女性では無月経になるなどの症状をともなうこともあります。
 診察すると、微熱や高血圧、不整脈がみられることもあります。

原因


バセドウ病は、自己免疫疾患です。血液中に甲状腺を刺激する抗体がたくさんできてしまい、甲状腺のはたらきを活発にして、過剰に甲状腺ホルモンを分泌するのが原因です。
 家族に発生しやすいので、遺伝的な体質が要因と考えられています。

検査と診断


血液中の甲状腺ホルモンの量を測定します。バセドウ病ではトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)の量がふえます。
 自己抗体も調べます。なお甲状腺刺激ホルモンは、ほとんど検出できないほど低下しています。
 一般的な検査では、基礎代謝率が高くなります。初期には、しばしば白血球数が減少します。コレステロール値は低くなります。

治療


専門医の診察を受けます。薬物療法が中心で、甲状腺ホルモンの合成をおさえる抗甲状腺薬を内服します。
 薬には発疹、肝臓障害、発熱などを起こす副作用があります。なかでも白血球の好中球が消える無顆粒球症を起こして高熱、はげしい痛み、全身がだるいなどの症状がでたときは、ただちに飲むのをやめ、抗生物質や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)などを投与します。
 抗甲状腺薬を飲んでも効果がないときや、重症の場合は、甲状腺を一部残して切除する手術を行い、ホルモン分泌をおさえます。

家庭でのケア


バセドウ病になると神経過敏になったり、動悸がはげしくなったりしますが、発病の初期に安静にすると症状が軽くなる効果があります。
 薬は、飲むのを中断するとかならずといっていいほど再発するので、毎日欠かさず、少なくとも1~2年は根気よく飲み続けることが大切です。

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