男性側の不妊の原因・検査・治療(だんせいがわのふにんのげんいんけんさちりょう)

精子の異常は不妊症の大きな原因の一つ


 WHO(世界保健機関)のデータによると、不妊症の約半数は男性にも原因があると考えられます。
 なかでも精子に異常がみられる造精機能障害は、女性の排卵障害、卵管障害と同様に、不妊症の大きな原因になっています。
 そのほか男性不妊の原因には、勃起不全や腟内に射精ができない性交障害、精子が精管を通過できない精路通過障害、白血球がふえて受精をさまたげる膿精液症があります(男性側に原因がある場合の不妊理由)。
 精子の異常は自分自身ではわからないことですから、男性も検査を受けることがたいせつです。ひとりめはもちろん、ふたりめ不妊の場合も男性側に原因が見つかることがあります。かならず夫婦ともに検査を受けてください。

精液検査で異常のときは泌尿器科で精密検査を


 検査には、精液検査と精密検査があります。産婦人科や泌尿器科で精液検査を受けますが、精子の状態は変動するので、何回か受けることになります。
 精液は、5日間くらい禁欲したあと、マスターベーションをして採取します。自宅で行うときは、1~2時間以内に病院に届けましょう。
 精液は、
(1)精液の量、
(2)pH、
(3)精子濃度(精子数)、
(4)運動率、
(5)奇形率、
(6)生存率、
(7)白血球数などを調べます。
 精子の数が基準値に満たないなど、精液に異常が見つかった場合は、泌尿器科でさらに精密検査を受けます。
 泌尿器科ではほかに、問診、触診、尿検査などをして、精液以外に問題がないかを調べます。
 原因がわかれば、その治療を行います。原因がわからない精子の異常は、ホルモン剤や漢方薬などを使って治療します。人工授精や体外受精、顕微授精にすすむケースも多くみられます。

デリケートな夫の気持ちを妻は十分にわかってあげて


 男性のなかには、不妊検査をいやがる人がいます。「精液検査で、もし異常がでたら男のプライドが傷つく」と思うようです。実際に、夫に不妊の原因があることがわかり、夫婦仲が悪くなったというケースもあります。
 そうした夫の気持ちを考えて、妻から夫に「検査を受けてほしい」と話をするときは、夫の自尊心を傷つけないよう、十分心配りをしてください。また検査結果が悪かったときも、責めたり、逆に腫れ物にさわるような態度も、夫を傷つけます。現代は治療の選択肢がいろいろありますから、ふたりで前向きに考えるようにしましょう。

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