精子の異常は不妊症の大きな原因の一つ
WHO(世界保健機関)のデータによると、不妊症の約半数は男性にも原因があると考えられます。
なかでも精子に異常がみられる造精機能障害は、女性の排卵障害、卵管障害と同様に、不妊症の大きな原因になっています。
そのほか男性不妊の原因には、勃起不全や腟内に射精ができない性交障害、精子が精管を通過できない精路通過障害、白血球がふえて受精をさまたげる膿精液症があります(男性側に原因がある場合の不妊理由)。
精子の異常は自分自身ではわからないことですから、男性も検査を受けることがたいせつです。ひとりめはもちろん、ふたりめ不妊の場合も男性側に原因が見つかることがあります。かならず夫婦ともに検査を受けてください。
精液検査で異常のときは泌尿器科で精密検査を
検査には、精液検査と精密検査があります。産婦人科や泌尿器科で精液検査を受けますが、精子の状態は変動するので、何回か受けることになります。
精液は、5日間くらい禁欲したあと、マスターベーションをして採取します。自宅で行うときは、1~2時間以内に病院に届けましょう。
精液は、
精子の数が基準値に満たないなど、精液に異常が見つかった場合は、泌尿器科でさらに精密検査を受けます。
泌尿器科ではほかに、問診、触診、尿検査などをして、精液以外に問題がないかを調べます。
原因がわかれば、その治療を行います。原因がわからない精子の異常は、ホルモン剤や漢方薬などを使って治療します。人工授精や体外受精、顕微授精にすすむケースも多くみられます。
デリケートな夫の気持ちを妻は十分にわかってあげて
男性のなかには、不妊検査をいやがる人がいます。「精液検査で、もし異常がでたら男のプライドが傷つく」と思うようです。実際に、夫に不妊の原因があることがわかり、夫婦仲が悪くなったというケースもあります。
そうした夫の気持ちを考えて、妻から夫に「検査を受けてほしい」と話をするときは、夫の自尊心を傷つけないよう、十分心配りをしてください。また検査結果が悪かったときも、責めたり、逆に腫れ物にさわるような態度も、夫を傷つけます。現代は治療の選択肢がいろいろありますから、ふたりで前向きに考えるようにしましょう。
ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。
掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。