どんな病気?
膀胱の粘膜に発生するがんです。泌尿器のがんのなかでもっとも多いがんで、大部分は40歳以降に発病し、その多くは50~60歳です。約4対1の割合で男性に多くみられ、喫煙者の発生率は非喫煙者の2倍以上。印刷業や理容師など、染料を扱う人に職業性の膀胱がんが発生することも知られています。
症状
初期は無症状ですが、やがて血尿が現れます。この血尿は、数回つづいたあと止まるなど、間隔をおいてくり返しますが、がんが進行すると血尿は持続するようになります。
がんの発生部位によっては、排尿痛や頻尿など膀胱炎(尿路感染症)に似た症状をともなうこともあります。
検査と診断
尿検査、尿道から内視鏡を挿入して膀胱内を観察する膀胱鏡検査、静脈への造影剤注入による尿路X線検査、超音波検査やCT検査などで、がんの発生部位や進行を調べます。
治療
がんの大きさや周囲への広がり、膀胱壁への浸潤の深さによって治療法が異なります。初期の小さいがんは、尿道から膀胱鏡を入れて電気メスでがんを切除します。この場合、膀胱がそのまま残るので、再発を防ぐため、術後に抗がん剤や弱毒化した結核菌のワクチンであるBCGなどを膀胱内に注入する治療を追加して行います。
がんが広範囲で浸潤が深い場合は、膀胱と尿道を全摘します。また、この場合、尿路変更術を同時に行い、尿の出口を新しくつくります。膀胱全摘出術のあとには、抗がん剤治療や放射線療法を組み合わせることもあります。
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