腱鞘炎(けんしょうえん)

どんな病気?


 筋肉と骨とをつないでいる腱と、腱を包むトンネル状の腱鞘に炎症が起こる病気です。腱鞘の内腔がせまくなり、手指を動かしたり、ものを握ろうとすると痛みます。中年女性に多く、手指をよく使う仕事やスポーツをする人にも起こります。

原因


 多くは手の使いすぎが原因ですが、妊娠・出産時、閉経のころに多いことから、ホルモンのバランスの変化も影響すると考えられています。
 発症部位や起こり方によって、つぎのように呼ばれることがあります。

●デケルバン病


 手首の親指側の茎状突起という部分に起こる腱鞘炎です。この部分では、別の動きをする二つの腱が同じ腱鞘の中を通るため、親指の複雑な動きによって腱や腱鞘がこすれやすくなります。
 親指を中に入れて握りこぶしをつくり、小指側に倒すと激痛が走ること、手首の親指側を押すと痛みが起こることなどで診断されます。

●ばね指


 多くは腱鞘炎が進行した状態で、指の曲げ伸ばしの際、ばねではじかれるような動き方をします。ひどくなると、腱鞘と腱がひっかかって伸ばせなくなり、無理に伸ばそうとするとペキンと音がします。

治療


 患部の安静(痛む動作をしない)と固定が必要です。消炎鎮痛剤の外用薬、ステロイド剤や局所麻酔薬の注射でよくなることもあります。改善しない場合は、腱鞘切開という手術を行います。腱鞘は、一つだけ切り離しても、機能的に問題はありません。20分ぐらいですむ手術ですが、すぐそばに神経が走っているので、信頼できる整形外科医を選びましょう。

あなたへのひとこと


 家事や育児などで手を使うことが多く、ホルモンのバランスがくずれる妊娠中や出産後、更年期には、ばね指にまで進行する腱鞘炎が起こりやすくなります。痛みをがまんしながら手を使うため、治りにくいのです。家事など家族にも協力してもらい、手指の安静を守りましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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