強皮症(きょうひしょう)

どんな病気?


 皮膚がかたくなる膠原病です。40~50歳代の女性に多くみられ、女性の患者さんは男性の5~6倍になります。強皮症と診断されてから10年後の生存率は70~80%です。

症状


 つぎのような症状がみられるのが特徴です。

●レイノー現象


 血行障害で、手足が冷えたり緊張したときなど、指先が白くなり、つづいて紫色から赤色へと変化します。90%以上の人に現れます。

●皮膚硬化


 皮膚の病変は、むくむ→かたくなる→萎縮するの3段階にすすみ、ものをつまみにくくなる、口が開きにくくなるなどの症状がみられます。
 皮膚の硬化は手の末端からはじまり、左右対称にからだの中心や顔に向けて広がる「全身型」と、手首くらいまででとどまる「限局型」があります。

●関節症状


 手のこわばりがみられたり、肘、膝、手などの関節痛をともなったり、関節の動く範囲がせまくなったりします。

●内臓の病変


 消化管や肺、心臓、腎臓などの臓器の細胞が線維に置きかわり、その機能を果たさなくなる線維症が起こります。胸やけや下痢、便秘をくり返したり、間質性肺炎(間質性肺炎とは?)や肺線維症(関節リウマチ)を起こして、空せきや息切れ、不整脈、高血圧などが現れ、日常生活に支障がでてきます。心不全腎不全を起こすと、生命に危険がおよびます。

原因


 不明ですが、遺伝的要因は少ないといわれています。

治療


 この病気自体を根本的に治す治療法はなく、対症療法が中心です。たとえば血行障害には血管拡張剤、関節痛には非ステロイド系抗炎症剤、胸やけには制酸剤など、それぞれの病状に合わせた対症療法を行うのが基本です。
 皮膚が急にむくんだり、かたくなったときや、血行障害や内臓の病変が現れたときは、ステロイド剤や免疫抑制剤を組み合わせて使います。

あなたへのひとこと


 冬の外出時には厚い手袋やソックス、水仕事にはゴム手袋などを着用。入浴のときに手指をよく動かすことも大事です。禁煙も必要です。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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