脂肪肝(しぼうかん)

どんな病気?


 肝臓の30%以上の肝細胞に中性脂肪がたまった状態です。
 日本人では肥満、アルコール、糖尿病が脂肪肝の三大原因です。ただ、女性は外見上やせていても、脂肪肝ではないといいきれないので要注意。そのほか副腎皮質ホルモンなどによる薬剤性、クッシング症候群、栄養不足などによっても起こります。
 特殊な脂肪肝としては、女性の場合、妊娠後期に発症して重症化する急性妊娠性脂肪肝、また子どもでは、肝臓にある細胞のエネルギーを生みだすミトコンドリアがウイルスにおかされて起こるライ症候群があげられます。どちらも死亡率の高いこわい病気です。

症状


 自覚症状がほとんどないため、定期健診などで偶然発見されることが多いようです。診断には血液検査だけでは不十分なので、もっとも有効な腹部の超音波検査を合わせて行います。

治療


 原因を取り除くことが治療の基本です。肥満によるものは、バランスのとれた栄養と摂取エネルギーの制限、運動療法などで体重を減らします。
 アルコールが原因の場合は、完全な禁酒をしなければなりません。そのまま飲みつづけていると、肝硬変に移行する可能性があります。とくに女性は進行が速いので要注意です。
 糖尿病によるものは、血糖のコントロールを行い、薬剤が原因の場合は、その薬の使用を中止します。
 脂肪肝は、急性妊娠性脂肪肝とライ症候群を除いては、重症化することはまれです。また、アルコール性を除いては、肝硬変になることもまれです。

あなたへのひとこと


 妊娠中に起こる急性妊娠性脂肪肝は、妊娠30~40週に起こりやすく、死亡率は母親が約3~4割、胎児は約4~7割です。診断がつけば帝王切開を行います。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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