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小さく生まれた赤ちゃんのための「リトルベビーハンドブック」全国拡大中!

低出生体重児とその家族のための手帳「リトルベビーハンドブック」。2021年4月から広島県で配布が始まります。なぜこの手帳が必要とされているのか、現在どこで受け取ることができるのかなどをご紹介します。

2021-03-31更新

2,500gより小さく生まれた赤ちゃん(低出生体重児)とそのママ・パパのための手帳「リトルベビーハンドブック」を知っていますか?
標準よりゆっくり成長することが多い低出生体重児の成長を記録する手帳です。

現在、全国に広がっていて、2021年4月から広島県内で広島版「リトルベビーハンドブック」が受け取れるようになります。

今回は、リトルベビーの育児で悩むママ・パパに寄り添ったこの素敵な取り組みをご紹介します。

リトルベビーとママ・パパの気持ち

現在、出生時の体重が2,500g以下の「低出生体重児」と言われる赤ちゃんは約10人に1人の割合で生まれているというデータがあります。
参照:低出生体重児 - 厚生労働省

小さく生まれた赤ちゃんは、成長に遅れが見られたり、さまざまな病気のリスクがあったりと、育児をしていく上でママやパパは悩みも多くなりがちです。

また、心の準備ができないまま突然の出産になる場合も多く、ママは「私が小さく産んでしまったせいで…」と自分を責めてしまい、産後のメンタル不調や孤立に繋がるケースもあります。

リトルベビーハンドブックの役割

「リトルベビーハンドブック」は、自治体が低出生体重児の当事者ママや専門の医師の意見を聞きながら作成した母子健康手帳と一緒に使うサブブックです。

リトルベビーの成長は一般的にゆっくりで、母子健康手帳に記されているペースでは記録できないことも多くあります。
身長・体重を記録する成長曲線や、月齢によってできるようになったことの欄への記載が難しく、そのことでママたちの心理的な負担が強くなっていました。

そこで、実際にリトルベビーの育児をしてきた先輩ママの目線でさまざまな工夫がされています。

内容は、
・初めて保育器から出た日
・初めて赤ちゃんを抱っこした日
・初めてチューブやテープがついていない赤ちゃんの顔を見れた日

など、リトルベビーの子育てだから感じることのできる、成長の記録を残すことができます。
寝返りやお座りなども、月齢によって「できた・できない」を比較するのではなく、その子のペースで成長を記録できるような作りです。

また、従来の母子健康手帳では体重曲線の最低メモリが1,000gなのに対し、「リトルベビーハンドブック」は0gからメモリがあります。
これも、1,000g未満で生まれた超低出生体重児のママたちの気付きや思いから形になったグラフです。

さらに、リトルベビー育児をしてきた先輩ママからのメッセージなども掲載されていて、これから育児をしていくママと赤ちゃんに寄り添う内容になっています。

リトルベビーハンドブックはどこでもらえる?

現在「リトルベビーハンドブック」は、静岡県、名古屋市、埼玉県川口市、福岡県、岐阜県、千葉県印西市、北海道苫小牧市ですでに配布されています。

そして、2021年4月からは広島県内2か所の総合周産期母子医療センター、広島県内8か所の地域周産期母子医療センター、広島県内全域の市町の母子保健窓口で配布されることになりました。

「リトルベビーハンドブック」は、NICUなどでお渡しすることが大切だと言われています。
それは、出産直後で不安や悩みが大きいママ・パパに向けてすぐにサポート体制を取れるツールの役割もあるからです。

現在コロナ禍で、入院している小さい赤ちゃんは面会が禁止されている病院も多くあると思います。
このような厳しい状況ですが、「リトルベビーハンドブック」は低出生体重児のママ・パパたちの心を軽くする助けになるのではないでしょうか。

今後も、多くの地域で「リトルベビーハンドブック」の輪が広がり、小さく生まれた赤ちゃんとその家族の笑顔が増えることを願っています。

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