目の構造と見えるしくみ
目はおもに眼球と、それを保護する眼瞼(まぶた)、眼球を動かすための外眼筋などから構成されています。
眼球を正面から見ると、黒く見える部分が角膜、そのまわりの白い部分が強膜です。強膜は眼球全体をおおって眼球を保護しています。
白目の部分の強膜は、結膜という薄い粘膜でおおわれています。結膜は、粘液を分泌して眼球を潤し、細菌や異物から眼球を守るはたらきをしています。眼球をおおう部分を眼球結膜、まぶたの裏側部分を眼瞼結膜といいます。
角膜におおわれた黒目の部分は、中心に黒く見える瞳孔(ひとみ)と、そのまわりで茶色(色は人種によってちがう)に見える虹彩からなっています。
虹彩はカメラにたとえると絞りにあたり、筋肉によって瞳孔の大きさを調節しています。明るいところでは瞳孔が小さくなり、暗いところでは大きくなって、目に入る光の量を調節します。
虹彩と瞳孔の裏には凸レンズの形をした水晶体があり、角膜とともにレンズの役目をしています。この水晶体を支える毛様体とチン小帯という組織が緊張したり弛緩したりすることで水晶体の厚さが変えられ、外から入ってきた光が、網膜の上にはっきりとした像を結ぶように調節されます。
網膜は、眼球の後方にあってフィルムに相当する部分です。網膜に像が結ばれると、網膜にある視細胞が刺激され、それが電気信号として視神経をとおって大脳に伝えられ、見るという行為が完成します。
乳幼児期の目の発達
子どもの目の構造やはたらきは、大人の縮小版だと思っている人が多いようですが、そうではありません。6歳ごろまでは、視覚が急激に発達する時期です。
生まれたばかりの赤ちゃんの目は、明るいか暗いかぐらいしかわかりません。生後1か月ぐらいで、ものの形が、2か月ぐらいで色がわかるようになります。4か月ごろになると動くものを追って眼球を動かせるようになります。
3歳ごろには半分以上の子どもが視力1.0くらいになり、6歳をすぎるころに、大部分の子どもが成人と同じ視力をもつようになります。
ですから、6歳ごろまでが視力の発達にとっていちばん大切です。
視力発達を損なうもの
子どもの視力は、いつも目を使っていないと発達してきません。
視力発達にとって大切な乳幼児期に片方の目に眼帯をかけたりすると、そのために視力発達障害を起こすことがあります。そして、6歳以後に視力障害が発見されても、多くの場合、治療が困難になります。
また、乳幼児期に遠視や乱視などの屈折異常があると、見えにくいほうの目の視力の発達に支障が起こります。
ですから、屈折異常や目の病気など、視覚の正常な発達をさまたげるようなトラブルは、めがねによる矯正や治療で取り除いてあげましょう。
眼帯も、ひどいけがのとき以外はかけないようにします。
このように視覚が発達しているあいだは、網膜にきちんと像が結ぶようにすることが大事なことです。視力の発達が止まってしまうと、視力が低下したままの状態になってしまいます。
両眼視機能の発達も大切
外から目に入ってきた光が網膜の上に像を結んでも、それだけではものを見ていることにはなりません。
網膜に伝えられた信号が、視神経をとおって大脳に伝達され、左右の目から与えられた情報が統合されて、はじめて立体感や遠近感をいだくことができます。
左右の目に映った像を脳で1つに統合するはたらきを、両眼視機能といいます。乳幼児期は、この両眼視機能が発達する時期でもあります。両眼視機能は、生後3か月ぐらいでできはじめ、4歳ぐらいになるとほぼ完成するといわれています。
図「目と周辺部の構造」
図「外眼筋のしくみ」
図「上から見た目の構造」
図「外眼筋のしくみ」
図「上から見た目の構造」
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