急性腎炎(急性糸球体腎炎)(きゅうせいじんえん)

どんな病気?


腎臓に炎症を起こし、機能を低下させる病気です。5~7歳の子どもに多くみられます。

症状


特徴的な症状は、血尿、むくみ、高血圧の3つです。
 溶連菌感染症(「溶連菌感染症(猩紅熱)」)で咽頭炎、扁桃炎、喉頭炎、皮膚のおできなどにかかって2~3週間後、突然、コーヒー色の血尿がでたり、顔全体や手足、まぶたがはれたりします。
 足がむくんでくつがきつくてはけなくなり、病気に気がつくこともあります。
 また、体がだるく、食欲が落ちて吐きけをともなうこともあります。
 尿の量も減って、検査をすると血圧が高く、たんぱく尿がみられます。
 重症になると、血圧が急に上昇して、意識がなくなったり、ひきつけを起こすなどの症状がみられます。これは、もっとも危険な状態で、むくみが強くでる発病初期に現れます。
 この病気は、2歳以下の乳幼児がかかることはまれで、幼稚園児から小学校の低学年にかけての子どもに多くみられます。

原因


多くの場合、溶連菌という細菌の感染によって起こります。
 しかし、この溶連菌が直接病気を起こすわけではありません。溶連菌が抗原になり、糸球体の血管の壁を障害して、糸球体のはたらきが低下して発病するのです。そのため、急性糸球体腎炎とも呼ばれます。

治療


特別な治療法がないため、安静と食事療法が中心になります。
 強いむくみや、高血圧などの症状がみられるときは、入院して安静、保温、食事療法などの治療を行います。ただ、むくみも軽く、血圧も高くなく、血尿だけという場合は、病院の外来で経過を観察することもあります。
 食事療法では、腎臓への負担がかからないように、塩分と水分を制限することが主体になります。
 むくみがとれて、血圧も下がり、症状が軽減してきたら、すこしずつ体を動かしはじめ、食事制限もゆるめます。
 子どもの急性腎炎は、幸いなことに、大人とちがって、ほとんどの場合、後遺症を残すことも、慢性化することもなく治る予後のよい病気です。
 回復にはふつう3~6か月、遅くとも1年までには、ほとんどが治ります。

家庭でのケア


治ったあとは、生活上の規制はほとんどありませんが、医師の指示にしたがってください。
 なお、かぜをひくと血尿が悪化することがあるので、かぜをひいたときは小児科を受診します。尿の検査は、1年に一度定期的に受けます。
 体育の授業、クラブ活動など退院後の運動については、どの程度ならよいのか、医師に相談しましょう。
 育ちざかり、遊びざかりの子どもに、きびしい運動制限をするのは、骨や筋肉などの発達上、問題ですし、ストレスがたまって、精神面にも悪い影響をおよぼすと考えられています。
 そのため、最近では、以前とちがって、退院後は、できるだけ運動制限をしないようになってきています。
図「糸球体のしくみ」

ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。

掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

今すぐ病院検索&予約
待ち時間なくラクラク受診♪

近くの病院を探す

関連するキーワード

尿 おしっこ 血尿 おしっこに血 むくみ むくむ 尿の量が減る おしっこの量が減る たんぱく尿 塩分制限 水分制限 糸球体 腎炎 まぶたのはれ くつがきつい 尿検査 検尿 急性腎炎 急性糸球体腎炎

関連記事

「おしっこがへんなときの受診のめやす」
「急性喉頭炎」
「急性咽頭炎・扁桃炎」
「尿を調べる」
「肝・腎生検」
ベビカム医学辞典
powerd by babycome