70歳をすぎると副作用がでやすくなる
70歳をすぎると、肝臓での薬物代謝機能、腎臓での排出機能などが著しく低下します。そのため、薬が体内に長くとどまって薬が効きすぎたり、副作用がでやすくなったりします。
また、高齢になるほど慢性の病気にかかることが多いので、長期間薬を飲みつづけたり、何種類もの薬を併用するようになり、それによって副作用がでる確率も高くなります。
高齢者は、通常の用量の3分の1~2分の1の量から使用しはじめるのがふつうです。市販薬の場合は、つい通常の量を飲んでしまうことがあるので、気をつけましょう。
また、食欲不振や手のふるえといった副作用の場合は「年をとったから」と自分で思い込み、気がつかない場合もあります。家族などが注意深く観察し、気づいてあげることが大事です。
高齢者にでやすい副作用の例
●高血圧治療薬が効きすぎて血圧が下がり、立ちくらみを起こして転倒。骨折してしまった。
●糖尿病治療薬を飲んだら低血糖状態になり、めまいが起きた。
●老人性認知症による不眠症のため、催眠剤を服用。夜間にトイレに起きた際に転倒し、大腿骨を骨折。寝たきりになってしまった。
●痛み止めのモルヒネで、呼吸機能が極端に低下してしまった。
家族が異変に気づき転倒を防止する
高齢者の薬の効きすぎや副作用でいちばんこわいのは、めまいなどを起こして転倒し、その際に骨折してしまうことです。
高齢者ほど骨折が寝たきりにつながりやすいので、とくに新しい薬を使用したときは、家族がしばらくようすをみていてあげましょう。
また、副作用による食欲不振に気づかず、徐々に食事がとれなくなり、寝込んでしまったという例もあります。この場合は、薬の服用を中止したら元気に動けるようになったということですが、小さな副作用も見逃していると重大事につながることがあります。
副作用のような症状がでたら、薬の使用を中止して、すぐに医師に相談しましょう。勝手に服用をやめてしまうと病気をコントロールできず、発作につながったり病気が悪化するおそれがあります。
また、本人の病状や体質、生活などをよく知る、かかりつけの医師を持つこともたいせつです。気がかりなことは、すぐに相談できるようにしておきましょう。
誤飲しないように家族が注意する
1錠ずつパックされている薬をパッケージごと飲んでしまい、食道を切開して取り出したという例があります。これは副作用というより事故ですが、こういった誤飲がないように、家族がよく説明をしたり、薬をパックから出して飲ませてあげましょう。
また、年をとるにつれて記憶力が衰えるので、うっかり二重に飲んでしまって、効果が強くですぎたり、副作用がでてしまうことも少なくありません。反対に、飲み忘れが多くなったために、薬の効果がきちんと現れないケースもあります。
飲み忘れた場合、すぐに気がついたらそのぶんを飲み、つぎからは通常どおり飲むようにします。飲み忘れてから時間がたってしまい、つぎの服用時間まで2時間以内になっていたら、そのぶんは抜き、つぎのぶんから通常どおり飲むようにしてください。
現在、薬局・薬店では「ワンドース・ワンパッケージ」という試みもなされています。これは、朝、昼、晩ごとに、1回に飲む薬すべてを1袋にパックすることです。
パッケージごと飲んでしまう誤飲や用量のまちがい、飲み忘れなどを防ぐ効果があります。薬を処方されるときに、医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう。
二重飲みや飲み忘れをしないくふうを
何種類もの薬を併用していると、それぞれに用法や用量がちがうため、高齢者でなくても飲みまちがいが多くなります。本人がまちがいなく飲め、二重飲みや飲み忘れなどを防ぐためにもくふうをしましょう。
いちばんわかりやすいのは、それぞれの薬を1回に飲むぶんずつ小分けにし、それを服用時間ごとにまとめます。たとえば、朝食後、昼食後、夕食後、就寝前などとまとめ、それを1週間ぶんつくっておきます。
そのほか、1日ごとのポケットのついたカレンダー状のものを手づくりし、そこに入れるという方法もあります。または、空き箱などを利用して中に仕切りをつくり、1回ごとや1日ごとに入れるというアイディアもあります。現在は便利な市販品も多いので、使いやすいものを探してみるのもいいでしょう。
こうしておくと、飲んだかどうかが本人だけでなく、家族やヘルパーさんなど、だれが見てもわかるので、薬の飲み忘れや二重飲みをみんなで防げるメリットがあります。
また、食間に飲む薬は、食後、タイマーをかけておくと忘れません。
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