どんな病気?
肝臓で分泌された胆汁の通り道である肝管、胆嚢、総胆管に石ができる病気です。発症頻度は女性が男性の2倍。肥満傾向にある40~50歳の女性に多くみられます。
胆石ができる部位によって呼び名がちがい、もっとも多いのが胆嚢結石、つぎが総胆管結石、まれなのは肝内結石です。診断には超音波検査が有効です。
症状
典型的な症状は、胆石発作と呼ばれるはげしい腹痛(みぞおち、右の肋骨下、ときに右肩や背部)です。この発作は、胆道にひっかかった結石を十二指腸に送り出そうとして、胆嚢の筋肉がけいれんをくり返すものです。キューッと痛んで、フワーッと痛みが遠のく状態がつづきます。
その他、黄疸、発熱、灰白色の便などの症状がみられることもあります。
胆石が胆嚢の中におとなしくおさまっていれば、無症状胆石(サイレントストーン)となり、症状も現れず治療も必要ありません。

原因
胆石は胆汁の成分が結晶化したものですが、その石の主成分によってコレステロール胆石と、ビリルビン胆石の2種類に大きく分けられます。
コレステロール胆石は、胆汁中の過剰なコレステロールがかたまったもの。食事の欧米化による高カロリー・高コレステロール・高脂肪食が年々患者をふやしています。とくに女性の場合、女性ホルモンが肝臓に作用して、胆汁へのコレステロール排泄を促進するため、胆石ができやすくなります。
ビリルビン胆石は、胆汁の主成分のビリルビンがカルシウムと結合してかたまったもの。なにかの原因で、胆道に細菌感染が起こると発症します。
治療
胆石が発見されても、症状がなければそのままようすをみるか、あるいは胆石溶解剤の服用をつづけます。
胆石発作などをくり返すときは、手術で石が入っている胆嚢ごと摘出します。比較的簡単な手術で、合併症さえなければ10日ほどで退院できます。
ただ、開腹するため10cmほどの傷跡が残ります。美容上、からだに傷跡を残したくない、あるいは長く入院できない人には、腹腔鏡をおなかに入れ、テレビモニターを見ながら胆嚢を摘出する方法もあります。
この手術は2時間程度で終わり、早ければ3日めに退院。傷跡も長さ1cm度のものが二つ、三つですみます。また、コレステロール胆石にかぎり、石が2cm以下であれば、からだの外から衝撃波をあて、石をくだく方法(体外衝撃波結石破砕療法)も有効です。
あなたへのひとこと
胆石の人は、てんぷら、中華料理、とんかつなど脂っぽい食事や、卵黄を使った料理、調味料ではマヨネーズなどを食べすぎると胆嚢が強く収縮して胆石発作を誘発するので要注意です。
規則正しい食事をして、一度に大量に食べないようにします。肥満や高脂血症の改善も必要。過労やストレスも発作の誘因になるので注意しましょう。
胆石症は中年女性に多く、とくに高齢の女性患者では胆嚢がんとの合併が高率になります。
将来のがん発生を予防をするためにも、定期的に超音波検査を受けることが大事です。
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