尿失禁(にょうしっきん)

40歳以上の女性の約半数が経験しています


 せきやくしゃみをしたときや走り出した拍子に尿が少しもれてしまうなど、自分の意思に反して尿がもれてしまう状態を尿失禁といいます。
 一度でも経験した人を入れると、40歳以上の女性の約半数にみられ、日常生活に支障をきたしている人もいます。

腹圧性と切迫性の尿失禁があります


 女性の尿失禁の約7割を占め、圧倒的に多いのが「腹圧性尿失禁」です。これは、せきやくしゃみ、重い物を持ち上げるなど、日常のちょっとした動作で、おなかに力が入ったときに尿がもれるものです。
 骨盤内にある膀胱や子宮などを支える筋肉(骨盤底筋群)が弱くなることで起こります。この筋肉は加齢とともに弱くなり、妊娠、出産、肥満、閉経による女性ホルモンの分泌低下がそれに拍車をかけます。
 腹圧性尿失禁についで多いのが、「切迫性尿失禁」です。尿意を感じてトイレにいくが、がまんができずに途中でもらしてしまうもので、加齢とともに増加します。脳出血や脳梗塞(脳卒中のいろいろ)の後遺症などで起こることもありますが、はっきり原因がわからないケースが多く、いずれも原因となる病態を「過活動膀胱」と呼んでいます。
 治療については、軽い腹圧性尿失禁なら、骨盤底筋の筋力をきたえる骨盤底筋体操を毎日行うことで改善します。同時に、尿道の収縮力を増す薬も服用します。これで効果がみられない場合や完全に治したい人はTVT手術を行います。TVT(Tension-free Vaginal Tape)手術は、特殊なテープを使って尿道を後面から支える手術で、おなかに力が入ったとき尿道を閉じる効果があります。局所麻酔で行うために、からだへの負担が少なく、入院も1泊2日ですみます。
 切迫性尿失禁の治療は、膀胱の過活動を抑える抗コリン剤や直接平滑筋弛緩剤、三環系抗うつ剤などを投与します。

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