どんな病気?
膀胱が正常な位置から下降して、その一部(腫瘤のようなもの)が外に出てくる病気です。女性だけに起こります。
症状
腫瘤がじゃまをするので、排尿時に尿が十分出きらず、いつも尿の一部が膀胱内に残るため、頻尿や残尿感があります。また、腫瘤が腟から脱出すると、股のあいだになにかがはさまっている感じがあり、手でさわるとピンポン玉大のプヨプヨした肉のかたまりをふれることがあります。入浴のあとや横になると、脱出していた腫瘤は体内に引き込まれますが、長時間の立ち仕事や歩いたあと、和式トイレでの排便後に再び脱出してきます。午前中にくらべて、夕方になるとぐあいが悪いと感じる人が多いのも特徴です。
原因
女性の骨盤の中には膀胱、尿道、子宮、腟、直腸などがあり、それらを支えているのが、骨盤底の筋肉です。この筋肉の緊張がゆるんだり、弱くなると膀胱瘤(膀胱脱)が起こります。子宮が下降して起こる子宮脱(子宮下垂・子宮脱)、直腸や小腸が下降して起こる直腸脱や小腸脱と合併することが多く、これらと同じ性器脱の一つです。
出産の回数が多い人、出産の時間が長引いた難産の人、重い物を持ち運びする肉体労働者、高齢者に多発します。
治療
腟の壁を開いて、飛び出ている膀胱を正常な位置にもどし、腟を縫い縮める手術(腟前壁縫縮術)を行います。1週間程度の入院が必要です。
膀胱瘤の程度が軽い場合は、骨盤底筋体操を行うことで、病気の進行を抑えることができます。
あなたへのひとこと
手術で完治はしますが、いきんだり、からだの重みがかかると再発しがちです。とくに便秘と肥満には注意しましょう。
買い物も、荷物が重いときや多いときは車を使ったり、家族の協力を得るようにしましょう。
素人では膀胱瘤(膀胱脱)と子宮脱の区別が困難です。ただ、脱出物をさわると、膀胱瘤がプヨプヨやわらかいのに対して、子宮脱はコリコリしてかたいのが特徴です。手術は、泌尿器科でも婦人科でも行いますが、子宮脱を合併している場合は、婦人科で行うケースが多いようです。手術後の性生活は術後6週間くらいからがめやすです。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。